アップルCEOジョブズ氏、再び医療休暇へ - (page 2)

Jonathan E. Skillings and Erica Ogg(CNET News) 翻訳校正:編集部2011年01月17日 23時53分

 Jobs氏の現在の健康状態は、報道関係者にも社会的にも、もはや一大関心事という訳ではないが、AppleでのJobs氏の役職を誰が引き継ぐのかという点は、投資家の間では大いに興味をそそられるところだ。Jobs氏の戦略や人物像はAppleという企業と根本的につながっているため、CEOとしてJobs氏を真に肩代わりできる人物はいないだろうと感じている投資家は多い。とはいえ、Appleが後継者準備を公開していないことは批判の的になっている。

 つい最近も、Appleの株主が同社の後継者計画を開示するように求め、取締役会がこれに対処していたことが明らかになったばかりだ。Appleはこの開示要求を、すでに社内で策定された計画があり、それを一般および競合他社に開示することは、優秀な幹部候補者を確保し起用する可能性を損なう恐れがあるとして拒否した。

 1980年代半ばから1990年代半ばまで、Jobs氏は企業のリーダーシップの在り方をめぐって取締役会と衝突し、Appleから離れていた。1997年にAppleに戻って以来、Steve Wozniak氏と共同設立した同社を再建し、倒産寸前の状態から世界でも最も影響力のある消費者向けエレクトロニクス企業に変貌させた。500億ドルを超える現金などを保有するAppleは現在、世界の株式時価総額でExxonMobilについで第2位だ。デスクトップおよびノートブックの「Mac」ファミリにとどまらず、Jobs氏は「iTunes」および「iPod」でエンターテインメント事業へ参入する道を開き、「iPhone」では携帯電話市場をリードするまでに至った。Appleは2010年、タッチスクリーンの「iPad」をリリースし、これによって第3の携帯端末カテゴリが創出され、最近ではAppleの競合企業がこぞって類似の製品を作ろうとするほどになるまでの成功を収めた。

 Cook氏はJobs氏が2009年に療養休暇をとった際にうまく代役をこなした。Jobs氏がいない間、Appleは2四半期連続で好調な結果を残し、「iPhone OS」のアップデートと新型iPhoneをリリースした。Cook氏のもと、Appleは新しいiPod、「MacBook」「Mac OS」を完成させ、これらは6月末にJobs氏が復帰してまもなくリリースされた。

 Cook氏は、Jobs氏不在のAppleの舵取りを素晴らしく成し遂げた業績をたたえられ、代役の報酬として、500万ドルの1回限りのボーナスに加え7万5000株の制限付き株式を与えられた。Cook氏はJobs氏が最も信頼する幹部で、この数年間ウォール街の投資家やアナリストに向けた決算発表のすべてに対応し、主要な製品発表においてその役割はいっそう重要になっている。最も直近では、11日にVerizon Wirelessがニューヨークで開いたプレスカンファレンスにおいて、同社のネットワークで利用できる初めてのiPhoneを発表した際、Cook氏はAppleの代表としてVerizon幹部と共に登場している。

 Cook氏は現在50歳、1998年にAppleに入社し2004年にCOOに昇進した。Appleが自社製品の製造から手を引き、台湾の鴻海精密工業(FOXCONN)などといった契約メーカーへの委託に変更したのはCook氏の指揮によるもので、これにより同社は在庫を減らし劇的に利幅を大きくした。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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