2011年3月11日に発生した東日本大震災から間もなく1年が経とうとしている。グーグルは3月7日、今後の災害に備えた新たな取り組みについて説明した。
同社は、震災の発生直後から、安否確認サービス「Google パーソンファインダー」や、Google マップの航空写真を使った被災地の復興状況の共有、本田技研工業(ホンダ)と協力して被災地周辺の通行可能な道路情報の公開などを行ってきた。10月30日をもってサービスを終了したパーソンファインダーには4月下旬時点で67万件を越すデータが登録されたという。
グーグル製品開発本部長の徳生健太郎氏は、「これらをグーグルが行ったという言い方をしているが、中を開けてみるとほとんどのものはユーザーやパートナーからの情報があってこそ初めてサービスとして成立した」と振り返る。一方で、社内外での取り組みを通じてさらに改善できる点もあると考えたことから、今後の災害対策として4つの取り組みを発表した。
まずパーソンファインダーを、NTTドコモの「災害用伝言板」と、KDDIの「災害用伝言板サービス」から利用できるようにする。従来通り、パーソンファインダーで、家族や友人の携帯電話番号を検索すると、各携帯キャリアが提供する災害用伝言板サービスに直接アクセスできる。パーソンファインダーは通常、災害時のみに提供するが、東日本大震災が発生した3月11日に1日限定で試験的に稼働する。
また、ライフラインやインフラの情報を集約する「Google 災害時ライフラインマップ」を新たに提供する。開始時は、KDDI、東京ガス、ホンダと提携し、auやガスのエリア復旧状況や、ホンダの自動車通行実績情報マップを閲覧できる。なお、現在は2011年3月当時の状況をデモとして再現している。今後もパートナーを拡大していくという。
さらに、グーグルが提供する各種、災害関連情報サービスやツールをまとめた「災害情報まとめサイト」を常設。また東日本大震災で、情報サービスができたこと、できなかったことをグーグル外部の視点から記録し検証するGoogle クライシスレスポンスの活動記録を「東日本大震災と情報、インターネット、Google」で公開する。
グーグルでは、より多くのパートナーと次の災害に向けて備えたいとしており、安否情報やインフラ、ライフラインに関する情報、災害時に必要とされるデータ提供などを受け付けている。
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