VMware vSphereとの組み合わせでプライベート・クラウドを実現するHP BladeSystem Matrix
仮想化技術の導入が一般化し、その先のプライベート・クラウドの実現も視野に入ってきた現在、x86サーバーに求められる要件も仮想化/クラウド化を踏まえた新たな段階に進化してきている。より多くのプロセッサー・コア、より大容量のメモリを搭載できるようになってきた点などはその表れだ。市場にはさまざまなx86サーバー・プラットフォームおよび仮想化ソフトウェアがあるが、HP BladeSystem MatrixとVMware vSphere 4の組み合わせはプライベート・クラウド実現のための最良のソリューションの1つである。。
HP BladeSystem Matrixとは
ここ数年、企業のIT部門では、仮想化技術を活用してより高効率で柔軟性に優れたITインフラを実現する動きが加速してきている。一方で、ともすればハードウェアよりも仮想サーバーを重視してしまい、ハードウェアは何でもよいと考えてしまう例も見受けられるようだが、それは間違いである。仮想化技術を利用してサーバーの集約を図り、高効率で運用するためのプラットフォームとなるハードウェアには、仮想化以前とは異なる要件が求められる。多数の仮想サーバーを並列動作させるためにはプロセッサのマルチコア化が有効だが、さらにメモリ搭載量も従来よりも大きくなくてはならない。また、多数のワークロードが集約されることから、ネットワークやストレージ・アクセスといったI/O性能も強化されている必要がある。1Uサーバーを大量にスタッキングしたスケールアウト時代に有用だった、比較的軽量で安価なハードウェアは、仮想化時代のプラットフォームとしては物足りない。
HP BladeSystem Matrixは、常に時代の最先端を切り拓き続けていることで定評のあるHP BladeSystem c-Classを中核とした、「コンバージド・インフラストラクチャ」実現のためのアプライアンス製品だ。ブレード・システムによる柔軟なカスタマイズの幅はそのままに、ユーザーのニーズに合わせた構成でHPの昭島工場で組み上げたものが出荷されるため、ユーザーは到着したシステムを設置すればすぐに運用に移れるように配慮されている。物理サーバーとしてそのまま使ってもメリットがあるが、仮想化ソフトVMware vSphere 4と組み合わせ、仮想サーバーのためのプラットフォームとして活用する際にはさらに大きなメリットが得られる点も、HP BladeSystem Matrixの特徴となっている。
仮想化プラットフォームとしての優位性
HP BladeSystem Matrixには、HP自身が高効率ITインフラの実現に取り組んだ経験が反映されている。HPは2003年のCompaqとの合併のあと、全世界85カ所に分散したデータセンターを6つの次世代データセンターに統合するプロジェクトを開始した。これは、現在多くのユーザー企業が取り組む「高効率化された仮想化データセンターへの移行」の先駆けとなるプロジェクトであり、そこで得られたノウハウや製品知識は、2009年11月に発表された「Converged Infrastructure(コンバージド・インフラストラクチャ)」に盛り込まれている。HP BladeSystem Matrixは、コンバージド・インフラストラクチャを具現化するためのプラットフォームに求められる要件に沿って開発されたソリューションだ。
HPは、世界でもトップレベルのITベンダーとして、ハードウェアに対する積極的な投資を継続し、技術面での最先端を走っている。HP BladeSystem Matrixにも、そうした最新技術が投入されており、仮想化環境を支えるための優位性を確保している。たとえば、仮想化で重要となるI/O周りの強化では、標準で10Gbps Ethernetをオンボード搭載している上、さらに「HPバーチャルコネクトFlex-10」という技術を利用することで、1つの10Gbpsポートを4つの仮想NICに分割して利用できる。HP BladeSystem Matrixのブレードサーバーは標準で2ポートの物理NICが搭載されているので、これを8ポートの仮想NICとして利用できるわけだ。各仮想NICは設定によって帯域幅を100Mbps〜10Gbpsの範囲で自由に設定できるので、ネットワークI/Oの帯域幅も必要なところに必要なだけ割り当てて効率よく利用することができる。
仮想化環境を支えるプラットフォームには、ユーザーからの要求に応じて必要なリソースを適切に配分できる能力が求められる。この点について、日本ヒューレット・パッカード インフラストラクチャーソフトウエア・ブレード事業本部の尾? 亨氏は、「HPは “適材・適所・適時・適量”で自在に対応できるITインフラを提供できるハードウェアとしてHP BladeSystem Matrixを設計している」と語る。このため、単に仮想化環境のためのプラットフォームとして優れているという段階を超え、クラウドアプライアンスとして、ゼロからクラウド環境を構築する手間を省き、納入された時点ですぐ使い始められるという大きなアドバンテージが達成されている。
HPとVMwareの強固なパートナーシップで実現したプライベート・クラウドソリューション
仮想化環境のプラットフォームとしてみた場合のHP BladeSystem Matrixの優位性は、単にハードウェア面だけに留まらない。HPは仮想化ソフトウェアのリーディング・カンパニーであるVMwareと密接なパートナーシップを構築しており、長期にわたって共同で市場を開拓してきた歴史がある。
HPはVMware製品をOEM販売する契約を締結しているが、その成立は2004年に遡る。x86サーバー・ベンダーの中でも最も早い時期に仮想化技術とVMware製品の将来性を理解していたのがHPだと言えるだろう。翌2005年にはHPの運用管理ソフトウェアであるHP Insight ソフトウェアが正式にVMwareに対応し、さらに両者のバンドル販売も開始されるなど、初期段階から密接な協力関係を築き上げ、技術面での連携についても豊富な経験を積み重ねてきている。
この一つの表われとなっているのが、ヴイエムウェア株式会社が2008年度から開始した「パートナー・オブ・ザ・イヤー」表彰だ。HPは初年度となる2008年と2009年の2年連続、つまりこれまで発表されたすべての年で「OEMパートナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞している。これは、HPが数あるOEMパートナーの中でも最も大きな実績を挙げたということだ。実際に、VMware社の仮想化ソフトウェアが稼働する全世界のx86サーバーの48%がHPのサーバーだという調査結果も出ているほどで、HPのサーバーとVMwareの仮想化ソフトウェアの組み合わせは市場からも圧倒的な支持を得ている。
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