“原音探究”の理念から生み出された高音質なヘッドホン
理想とする原音へと近づけていく際に多くの社員が試聴したと思いますが、その感想や意見はどのように汲みとっていったんでしょうか。
どのヘッドホンもそうですが、開発チームだけではなく、お客様や売り場に近い営業サイドにも試聴してもらっています。今回は前モデルを継承しつつ、より低域の高音質化を狙っていましたが、そのイメージする音と合致するまで試聴を繰り返し1歩1歩近づけていきました。互いの中にある原音への思いをぶつけながら、磨き上げていく感じでしょうか。でも、あまりにこだわったために、このままでは発売が遅れてしまうと言われてしまいましたが(笑)。
小型、軽量の「HA-FXC71」と「HA-FXC51」は、移動中の音楽再生が主となるiPodをはじめとするデジタル・オーディオ・プレイヤーで真価が発揮されると思いますが、いかがでしょうか?
すべての音楽機器で満足できるように仕上げていますが、その中でも狙いは、デジタル・オーディオ・プレイヤーを聴きながら通勤・通学されている方がより音楽を楽しんでいただくことです。車内でのノイズを防ぐために遮音性を高めたり、ハウジング内部に制振ジェルを入れてコードからのタッチノイズを抑えたりと、あらゆるシチュエーションでも高音質で音楽を楽しんでほしいということも念頭にありました。
良い音を楽しむということ。それはまさにビクターが掲げる「原音探究」という理念でもありますね。
はい、我々はアーティストが音に込めた想いを忠実に聴き手に届けていきたいという「原音探究」という理念のもとに開発に臨んでいます。今回はその「原音探究」を、「トップマウント構造」と「カーボン振動板」で実現させていこうとしました。一方で、振動板の素材に木を採用したモデルもあります。このように「原音探究」とはひとつの道すじを進むのではなく、様々なアプローチがあるんです。だから、開発する我々もやりがいがあるし、おもしろいんですよね。
その上で、田村さん自身が理想とされる音はどのようなものなのでしょうか?
生で聴いていると感じられるような、臨場感あふれる音ですね。営業サイドとの熾烈なやりとりもありましたが(笑)、今回の「HA-FXC71」と「HA-FXC51」でも実現できたと自負しています。
製品スペック紹介
再生周波数帯域:8Hz〜25,000Hz
質量:6.2g(コード含まず)
コード:1.2m(Y型)、φ3.5mm 24金メッキステレオミニプラグ付
付属品:シリコンイヤーピースS、M、L 各2個、 コードキーパー、クリップ、キャリングポーチ
著者プロフィール
洋楽を中心に執筆している音楽ライター。音を聴くという仕事柄、ヘッドホンをはじめとするオーディオ機器にも関心が深く、デジタルグッズ系雑誌でオーディオに関する記事も書いている。
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