デジタル一眼レフカメラで実現する写真クオリティの動画

ここ1−2年の間、デジタル一眼レフカメラを使ったビデオ撮影が注目を浴びている。もちろん、コンパクトデジカメを使っての画撮影機能は以前から存在するものの、あくまで「おまけ機能」としての認識が強かった。そんな状況の中で、なぜメーカーはデジタル一眼レフカメラの動画を付けたのか。そもそも、家庭用デジタルビデオカメラが普及する中、いまさら動画に対応する必要はあったのだろうか? これらの疑問に対し、PENTAX K-7を使って、家庭用デジタルカメラの違いや、デジタルカメラならではのビデオ作製方法、出力方法を検証する。

レンズが選べる一眼レフカメラ

 一眼レフカメラを使ったことがある人なら、カメラの写真のクオリティはレンズに大きく左右されることを感じたことがあると思う。一般的な撮影なら標準レンズで十分だろうが、マクロ撮影や月明かりで撮影など少しでも凝ったことをしようとすると、標準レンズでは物足りないことが多い。

 プロで使用されている業務用ビデオカメラはレンズの交換が当たり前となっている。デジタル一眼レフカメラは今まで培ってきた豊富なレンズを、そのまま動画撮影で使うことができるうえ、業務用ビデオカメラの数分の一の価格で同じような効果を可能にしてくれる。

 たとえばPENTAX K-7だが、メーカー製レンズだけでも30種類販売されており、「DA FISH-EYE 10-17mmF3.5-4.5ED[IF]」 のような超広角ズームレンズから「DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDM」(標準ズームレンズ)、「DA★300mmF4 ED[IF]SDM 」(超望遠レンズ)まで幅広く提供している。これらのレンズから行いたい撮影にマッチしたものを選ぶことにより、一眼レフカメラならではの画作りが可能になる。

交換レンズの独特な世界観を醸し出す動画

 交換レンズの醍醐味と言えば、特殊なレンズが使えることにある。遠くの鳥や動物を撮るための望遠レンズはもちろん、花の朝露を鮮明に描写するマクロレンズ、そして広い空間を演出するには魚眼レンズなどがある。

 そこで、PENTAX K-7と標準ズームレンズ(DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDM)、超広角レンズ(DA15mmF4ED AL Limited)、魚眼ズームレンズ(DA FISH-EYE 10-17mmF3.5-4.5ED[IF])を使って早速撮影をしてみることにした。

 まずPENTAX K-7の動画に関する基本スペックをここで紹介しよう。K-7の動画はパソコンとの親和性が高いMotion JPEG形式を採用しており、収録できる動画は0.9Mbps (1280×720、16:9)、1.6Mbps(1536×1024、3:2)、0.3Mbps(640×416、3:2)となっている(すべて30fps)。しかし、今回はテレビへの出力(16:9)なども踏まえ、放送準拠の720p(1280x720p 30fps)で撮影した。

魚眼レンズで撮影した映像

ボケを強調した映像

 魚眼レンズで撮影映像はカメラが上から中央にパンすることで少し丸みのある面白い映像が撮れる。これを応用することでペットなどの「デカ鼻」ビデオも撮れる。 また、標準ズームレンズを使ってボケを強調してみた映像だが、デジタルビデオカメラとデジタル一眼レフカメラの最大の違いはここにあるといわれている。デジタル一眼レフカメラは高性能なレンズと組み合わせることにより、写真で良く見られるような「ボケ味」(ピントの合っているところ以外が美しくぼける)を演出することができる。

デジタル一眼レフカメラのもう一つの利点はその静止画にある

 当り前ではあるのだが、デジタル一眼レフカメラのもう一つの利点は静止画を撮影できる「スチルカメラとしての機能」だ。一見、動画撮影には全く関係がなさそうに見えるのだが、使い方次第では数百万円もする業務用カメラでもなしえないような動画を作ることができるのだ。その機能とは、タイムラップス撮影だ。

 タイムラップス撮影とはカメラ内蔵の機能の一つで、撮影方法(絞り優先、シャッター優先、マニュアル)を決め、写真間隔(1秒から23時間59分:59秒まで)、撮影枚数を設定(最大99枚)、撮影を開始すると、カメラが自動的に設定枚数分撮影してくれる。

図1 タイムラップス撮影とは
図1 タイムラップス撮影とは

 ここで、K-7を使って撮影したタイムラップス・ビデオを2つほど紹介しよう。

超広角ズームレンズ(DA FISH-EYE 10-17mmF3.5-4.5ED[IF])を使って撮影したもの。カメラの設定はシャッター速度1/30秒、10秒間隔で99枚撮影。シャッターを1/30秒にすることで幻想的な動画が撮影できる。

DA15mmF4ED AL Limited(広角レンズ)を使って人の流れを撮影した動画。DA15mmF4ED AL Limitedを使うことでこのようなゆがみのない広い画が撮れる。

 このように、K-7の豊富なレンズやタイムラップス撮影などの標準機能を使えば、家庭用のデジタルビデオカメラでは実現できない映像を作ることができるのだ。

 そこで次の章では、実際に撮影したK-7の動画やタイムラップス写真の編集について話していきたいと思う。

次ページ:動画編集編 >>
製品スペック紹介
PENTAX K-7
型式
P-TTLストロボ内蔵 TTL AE・AF一眼レフデジタルカメラ
有効画素数
約1460万画素
外形・寸法
約130.5mm(幅)×96.5mm(高)
×72.5mm(厚)(突起部を除く)
質量(重さ)
約670g(本体のみ) 、約750g(電池、SDカード付き)
 
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