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「IoTの価値はデータだ。ビジネス起点でテクノロジーを使いこなせ」特別対談 CNET Japan編集長 別井貴志×ニフティIoTデザインセンター センター長 佐々木浩一氏

ポイントは「小さくはじめて仮説を検証すること」


CNET Japan編集長
別井貴志

別井:企業と一緒にビジネスを作っていくわけですが、新しい取り組みですから、失敗も多いはずです。どのように取り組みを進めるのですか。

佐々木氏:データのFeedback loopを設計したら、できるだけ小さく始めることです。世の中的にはこれを「PoC」(概念実証)と呼んだりします。IoTは多くの場合、企業にとって新規の施策です。綿密な計画と実行に多くのお金と時間をかけるよりも、むしろサイクルを早く回すことに重点を置いた方がいいです。

別井:最初は小さく実験から始めてみるというのは、新しい取り組みを進める際の基本ともいえますね。企業側ではどういったことに気をつける必要がありますか。

佐々木氏:失敗を許容する姿勢が重要です。お客様と話していてしばしば課題になるのは、投資対効果が見えづらいということです。ITに関する機器やシステムについてはある程度調達のためのコストがわかります。ただ、データ活用となると、どのくらいROIが期待できるかは、正直やってみないとわからない側面があります。もちろん効果の事前設計はしつつも、お客様には「IoTの取り組みは必ずしも効果が見えるとは限りません。それを認識したうえで始めてください」と申し上げています。いわゆる「攻めのIT」に関する取り組みは、そういう施策が多いと思います。それでも、効果が見えたときのビジネスインパクトは大きく、市場競争で優位に立つことができる。コマツさんの「スマートコンストラクション」など見事なIoTの取り組みですが、ソリューションの確立には多くの失敗があったことと推測します。そもそも失敗のない施策を目指すなら、IoTはやらない方がいいです。

別井:データを取得することは、小さな取り組みでも結果を検証しやすいというメリットはありますよね。データを見ながら、何が悪かったのかを確認して、取り組みを改善していくことができます。

佐々木氏:実際の取り組みでも、仮説を立て、データをとって、その仮説を検証しながら、前に進んでいきます。効果測定が欠かせませんので、顧客満足度であればNPS、あるいは自社で持っている独自の指標など、効果測定のやり方まで設計しておく必要があります。

別井:効果が目に見えるところから始めるのもいいのではないですか。たとえば、社内の業務コストを下げることを目的にIoTを活用する。それでスタッフの働き方が改善すれば、結果的に顧客のサービス向上にもつながります。

佐々木氏:もちろんです。実際にそういったニーズからはじまって収益につながっていったケースは多いです。

IoTビジネスにおけるニフティの強みとは

別井:ニフティIoTデザインセンターではどんなメニューを用意しているのですか。

佐々木氏:大きなコンセプトとしては、企業が抱える事業課題に沿って解決策の提案から実施までを包括的に支援するというものです。具体的なご支援のメニューとしては、IoTコンサルティング、IoTインテグレーション、IoTテクノロジープラットフォームの3つです。

 IoTコンサルティングでは、アイデアやビジネスのデザイン、UI/UXのデザインなど、IoTの取り組みに関する全体設計をご支援しています。その設計に基づき、実行フェーズをご支援するのがIoTインテグレーション。プロトタイプを作成したり、データサイエンティストによるデータ分析のご支援もここに含まれます。3つめのIoTテクノロジープラットフォームというのは、実行フェーズの効果/効率を最大化するクラウドやSIMなどのソリューション群です。

ニフティの提供するIoTソリューション ニフティの提供するIoTソリューション
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別井:アイデアのデザインからはじまって、システムの実装やデータ分析まで支援してもらえるところが大きな特徴ですね。ニフティさんならではの強みは何になりますか。

佐々木氏:データ活用も含め、IoT活用のフレームワークを持っていることが最大の強みであり、他社が簡単に真似をすることのできない点です。弊社はIoTサービスも含めたコンシューマー向けWebサービス、アプリを自社サービスとして多く提供しています。また、お客様のIoT案件をご支援した実績も増えてきました。それら実際のサービス提供やお客様案件で培った「IoTの実現パターン」を多く知っている弊社からのご支援は、これからIoTに取り組む企業にとって大きなメリットになると自負しています。

 また、充実したパートナーも強みです。IoTの実現には非常に多くの機能が必要ですが、弊社がすべてを提供できるわけではありません。センサーやゲートウェイ、組み込み機器、セキュリティなどの各分野のパートナーと協力して、IoTプロジェクトを支援することができます。

ソリューションパートナーの一覧 ソリューションパートナーの一覧
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別井:今後の展開を教えてください。

佐々木氏:今後、デジタル化はよりいっそう進んでいきます。米国では、歯ブラシやスポーツのボールにまでセンサーが組み込まれはじめています。さまざまなデータがどんどんつながっていく。そうなってくると、とても1社の力でビジネスを作っていくことは難しくなってきます。さまざまな企業とパートナーシップを作っていくことが重要です。

 我々の仕事は一言でいうなら、IoT推進のアクセラレーターです。さまざまな企業とのパートナーシップのなかで、IoTビジネスの成功を支援していきたいと思っています。

提供:ニフティ株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2017年3月31日