“老舗ベンチャー”ゑびや大食堂が「的中率9割」のAI事業予測をサービス化! ITビジネスに参入決断した「その理由」

現場の課題を肌身で知る強み

── そのようなサービスの発想が生まれるのは、実際に店舗を経営・運営している、ゑびやならではの強みですね。

小田島:ええ、そこに差別化の大きなポイントがあると考えています。小売・飲食事業者向けのITシステムはさまざまに存在しますが、その開発・提供元はあくまでもITのプロであって、小売・飲食事業のプロではありません。それに対して、私たちは小売・飲食店を実際に運営している会社です。小売・飲食の現場のことを肌身で深く理解していますし、どこに課題があり、どう改善すべきかもわかっています。ですから、私たちが提供するサービスは、間違いなく小売・飲食事業者の経営革新・業務改革に役立つはずです。また、新しいサービスを提供する際にも、ゑびやを実証実験の場として活用し、実効性の高いソリューションへと仕立てたうえで、提供していくつもりです。

中川:この強みは、データ分析のサービスを小売・飲食事業者向けに提供するうえでも有効です。ROXのようなデータ分析のエキスパートは、どのデータを、どう分析すれば、どんな結果が得られるかは熟知していますが、業界ごとの課題を肌感覚で理解しているわけではありません。ですから、お客様のゴール設定──つまりは、データ分析や人工知能で何を解決したいかのゴール設定が曖昧であると、しっかりとしたアウトプットを出すことができないのです。その点、ゑびやは、データ分析のゴール設定が常に明快です。それは小売・飲食事業の課題解決にデータをどう役立てればいいかを理解しているからだと思います。そうしたゑびやの知見は、小売・飲食店向けのデータ分析サービスを洗練させるうえで、とても有益であると確信しています。

先端ITが日本の「おもてなし」の品質に劇的な進化をもたらす

── ゑびやでは、実際に先進IT/データの利活用で大きな成功を収めていますが、古いタイプの小売・飲食店の中には、ITによる自動化で、顧客への「おもてなし」が疎かになると考える方もおられるのではないですか。

小田島:そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、事実は真逆なのです。先端ITでオペレーションを自動化・合理化することで、人に余裕が生まれ、おもてなしの品質は確実に向上します。

 例えば、食堂にセルフオーダー端末を導入することで、店員が店内を忙しく走り回る必要がなくなります。ゑびやでは、その効果を活用し、店員に着物を着せるなど、接客の品質とお客様の「旅の価値」を高める工夫を凝らしています。また、セルフオーダー用のタブレットアプリの画面を、極限まで美しく作りました。美しく、食べるイメージを想起できるような素敵なメニューによって、お客様に「選ぶ喜び」を味わっていただけます。さらに、そのタブレットに、例えば、観光案内・街案内などのビデオを再生させれば、お客様は注文した品物が届くまでの時間をより有意義に過ごせるようになるはずです。加えて、注文されるメニューや、注文のタイミングをあらかじめ予測しておけば、お客様に食を供するスピードを増し、お客様の貴重な時間を浪費しないで済むようになります。

 ITによる自動化によって、おもてなしの品質が落ちるとすれば、それはITの使い方が間違っているためです。先端ITをうまく活用すれば、従業員の負担を減らしながら、お客様体験を高度化し、満足度を高めることができるのです。

── そんなゑびやのITソリューションに期待する企業も多いと思いますが、今後のスケジュールについて、確認させてください。

小田島:現在は、マイクロソフトの全面的な協力の下、私たちが構想するサービスがAzureのサービスとして機能しうるかどうかを検証している段階です。のちにサービスを実装し、まずは、ゑびやで実際に活用してみて、その有効性を確認してから、正式なサービスとしてラウンチする計画です。


マイクロソフトではこうした企業向けに ITソリューションを実現化するためのワークショップを開催するなどの支援を積極的に行っている

── ゑびやで実績を上げている仕組みをサービス化したものであれば、すぐに導入したいと考える企業もあると考えますが、すでに商談化している案件はないのですか。

小田島:実は、日本の誰もが名を知るような著名な老舗店との商談がすでに進んでいます。また、その会社に限らず、小売・飲食の事業者の方に、ゑびやの取り組みを説明すると、ほとんどの方が強い関心を示されます。さらに、同業他社の方が私たちの取り組みを視察に来られると、「このシステムはすばらしい、すぐに欲しい」といった声をいつもいただきます。ROX社やマイクロソフトなど、パートナー企業の協力を仰ぎながら、こうしたニーズに可能な限り早く対応していきたいと考えています。

日本マイクロソフト 西村氏:私たちマイクロソフトはお客様のデジタルトランスフォーメーションをより簡単に実現してもらうための素材として、様々なクラウドソリューションを用意しています。

 これらはAI やデータ分析専門の難しいツール、高価な設備や、専門性が高く希少な人材を必要とせずに容易に使っていただくことが可能です。

 今回は、Azure, Power BI, Cognitive Services, といった素材を上手に調理してもらうことでゑびや様のメニューに新しい商品を登録してもらえました。

 ゑびや様の考える究極的なゴールは私たちが考える働き方改革、そしてひいては日本の小売店や、飲食店をはじめとしたさまざまな業種の企業の発展にもつながるものがあると考えています。

 この先進的な取り組みを私たちは引き続き応援したいと考えています。

提供:日本マイクロソフト株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2018年6月30日

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