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“老舗ベンチャー”ゑびや大食堂が「的中率9割」のAI事業予測をサービス化! ITビジネスに参入決断した「その理由」

脱「なんとなく」経営!
来客予測のパワーをより多くの飲食店に実感してもらいたい

ゑびや代表取締役小田島氏
ゑびや
代表取締役
小田島氏

── まずはIT事業に乗り出された経緯についてお聞かせください。

小田島氏(以下、敬称略):ゑびやはこれまで先端ITの活用とデータ収集・分析を導入し、利用することにより収益と従業員満足度を向上させてきました。地元の様々な企業の方々とお話しするうち、私たちの作り上げてきたこの一連の仕組み、つまりソリューションを使ってみたいという要望をたくさんいただきました。そこで検討してみたところ、私たちのソリューションは、ゑびやが属するサービス業界──具体的には、小売・飲食の業界での再現性が非常に高い、つまりゑびやでしか使えない仕組みではなく、他の店舗や飲食店でも同様に十分応用が可能であるという判断に至ったのです。そこで、私たちが実現してきた仕組みのすべてを、クラウド サービスである Azure上に集約し、どなたでも簡単に導入・利用できるよう、一つのサービスパッケージにまとめ、提供しようと考えたのです。このサービスの活用を通じて、小売・飲食事業者の方々にデジタル変革を推し進めていただくことで、経営を楽にして、従業員の方にも楽になってもらい、顧客満足度も高めていただく──。それが究極的なゴールです。

── 確かに、ゑびやの「来客予測AI」がツールとして提供されるだけでも、飲食店にとってはありがたいことのように思えます。この予測AIで、「翌日の来客数・注文数」が、かなりの精度で予測できるとお聞きしましたが。

小田島:おっしゃるとおり、「来客予測AI」は、私たちが提供しようとしているサービスパッケージの重要なピースです。この予測AIは、中川さんの会社(ROX社)に開発してもらったものですが、予測精度は日本最高レベルで、2017年9月には、日本観光振興協会が主催する「観光予報プラットフォーム」の第1回活用コンテストで「大賞」も受賞しています。

 実際、この予測AIによって、ゑびやが運営する食堂では、的中率9割という高い精度で翌日の来客数・注文数が把握できています。これにより、翌日に向けた食材・メニューの準備を精度よく行うことが可能になり、料理提供時間の短縮だけでなく、無駄な仕入れも回避でき、廃棄コストも大幅に低減できるようになりました。

 また来客数が1時間単位で予測できるので、人員の配置も事前に最適化することができます。さらに、来客予測AIでは、長期的な来客予測も立てられるので、従業員たちのシフトプランや社員の休暇プランの策定にも役立ちます。実際、ゑびやでは、ROXによる全面協力の下、2週間連続で個々の社員を休ませるスケジュールを組み、それを実行に移しました。こうした施策によって従業員満足度を高めることは、人手不足が深刻化し、貴重な人材を是が非でも会社につなぎ止めておきたい飲食事業者にとって、とても大切だと考えています。

ROX社CEO中川氏
ROX社
CEO
中川氏

── とはいえ、店舗ごとに立地や特性が違うので、ゑびや用の来客予測AIが、そのまますべての飲食店で使えるわけではないはずではないですよね。

中川氏(以下、敬称略):もちろん、ゑびやの来客予測AIを、他の店舗にそのまま適用するわけにはいきません。ただし、分析対象のデータの多くに共通性がありますし、店舗ごとのユニークな分析に必要なデータについては、それを「自動的に」判別して、個別にフィットする分析用のアルゴリズムが作れる仕組みをすでに開発してあります。そのアルゴリズムをクラウドサービス(Azureの「Machine Learning」)に組み込み、データの学習を重ねていくことによって予測精度を上げていくことを想定しています。つまり、ゑびや以外の店舗にも多少のカスタマイズでご提供出来るAIになっています。

店舗経営・運営のコックピットを実現する

── ここで改めて、小田島さんが構想されているサービスパッケージの全体像について確認したいのですが。

小田島:先ほども触れましたが、我々が実現してきた仕組みのすべてを合体させ、Microsoft Azure上で提供するというのが基本的な考え方です(図1)。

図1:ゑびやが構想するシステムメージ図
図1:ゑびやが構想するシステムメージ図

※クリックすると拡大画像が見られます

── それによって、どんな仕組みを実現しようとしているのですか。

小田島:一口に言えば、店舗の経営・運営の状況を一つのWeb画面で見渡せる「コックピット」の実現です。

── そうしたコックピットを、ゑびやではすでに実現しているのですか。

小田島:現状では、さまざまな仕組みが異なるプラットフォームで動いているので、一つのWeb画面ですべてがモニタリングできるようにはなっていません。ただ、複数台のモニタをずらりと並べて、店舗スタッフとのコミュニケーションと店舗状況のモニタリングをリアルタイムに行うという取り組みは実践しています。

── その取り組みについて、もう少し具体的にお教え願えますか。

小田島:例えば、1つのモニタでは、テレビ会議システムの画像を表示させ、スタッフとの対面でのコミュニケーションがいつでも取れるようにしています。また、別のモニタでは、その日の来客数予測を時系列で表示させたり、何のメニューがどれぐらい売れるかの予測を表示させたりして、店舗オペレーションの最適化に役立てています。さらに他のモニタでは、店内にどういったお客様がいるのかをリアルタイムに把握できるよう、アロバビューコーロの画像解析AIサービスを使った「入店客の男女比率」などを表示させていますし、レジとの連動による「その日の売上実績」のリアルタイム表示も実現しています。

 加えて、セルフオーダーシステムのデータを吸い上げ、「来店してテーブルにはついているものの、まだオーダーを出していないお客様が、どこに何人いるか」をリアルタイムに可視化し、「もうすぐ、いくつのオーダーが発生する」との情報を店舗スタッフに知らせるといった仕組みも実現しています。

 このような店舗経営・運営のコックピットを、Web ベースで利用可能な Microsoft の「Power BI」サービスを介したWeb画面に集約しようというのが、私たちの構想です(図2)。

図2:データの流れ
図2:データの流れ

※クリックすると拡大画像が見られます

(※)注
Power BI は、マイクロソフトのビジネス分析ツール(データを整理し、リアルタイムレポート作成などが可能な Power BI Desktop は無料。利用機能によって有償となるフリーミアムモデル)。Google アナリティクスやSalesforce、各種データベースなど様々なデータに簡単に連携し、プログラミングフリーで一つの画面に直観的なレポートとしてまとめることができる。また、Webレポート公開機能を使用すると、HTML5 対応ブラウザを持つあらゆるデバイス上で同じインターフェースのレポートをリアルタイムで参照可能。PC (Windows / Mac / Linux) だけでなく、Android タブレット、スマホ、iPad や iPhone などで同じ情報を同じように参照することができるため、意思統一やビジネス判断を迅速に実現することに非常に有効なサービス。Excel との連携も可能。

 また、今後は、お客様のご要望を吸い上げながら、さまざまなサービスを追加していくつもりですし、食材在庫のデータや日々の実績、来客予測などに基づきながら、「発注」を自動化する仕組みなども提供していきたいと考えています。飲食店では、発注の業務にかなりの時間を取られていますから。


図3:ゑびやが構想する新サービスのWeb画面のイメージ
提供:日本マイクロソフト株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2018年6月30日

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