働くDBで利用できる豊富な機能のうち、まず注目したいのがデータ入力の自動化だ。この機能の利用方法としては、定型メールの内容をDBに入力する作業が挙げられる。働くDBは、定型の文面を解析する機能を備えているので、パターンを登録しておくことでメールからデータを抽出して指定のデータベースに自動入力することができる。ウェブサイトからの問い合わせの手段として定型メールが一般的に用いられている今、同機能を活用すれば入力作業の手間や、入力モレを一掃することが可能だ。
また、情報をExcelに流し込む機能も搭載。請求書などの作成にはExcelが用いられることも多いが、働くDBを用いることで、人手の作業を省くことができる。同時に人為的ミスの発生も防ぐことができるなど、副次的な効果も無視できない。
次に、ワークフロー管理で威力を発揮するのが、データの更新やメール送信など、各種処理の実行を指示するための「ボタン」である。その処理内容は、事前に用意されたパーツを組み合わせることで自在に設定できる。そのためボタンを活用することで、業務フローに付随して発生するオペレーションを自動化でき、業務フローに合致するよう、働くDBをカスタマイズできる。さらに、データ間に簡単にリンクを張ることができ(DBリンク機能)、それによっていわゆる「マスタ管理」を自然に行うことができるので、“データの二重入力”の問題を解決できる。
これらによって、社内の業務効率は大きく向上する。また、業務フローに変更が発生した場合でも、パーツの設定を画面上で少し修正するだけで対応できるなど、柔軟性も特徴。一般的な「業務システム」では、変更が発生すると莫大な改修コストが求められるのとは対照的だ。
データを承認ワークフローに通すこともでき、データのアクセス権限も柔軟に設定可能。ログを確認することで、誰が、いつ、どの情報を変更したのかまで正確に把握することができるため、内部統制に向けた体制作りにも最適だ。
さらに、働くDBでは作成できるデータベースの数には制限がない。しかも、データベース間での情報連携が行える点も見逃せない特長だ。働くDBで管理する情報を段階的に増やすことで、社内の情報の統合管理も見込むことができるのだ。ひいては、情報共有を高度化でき、意思決定の精度を高めることもできる。
「情報は企業の生命線とでも言うべき存在でありながら、中小企業のほとんどにはマスタデータすら存在しないのが実情です。ですが働くDBを利用することで、マスタ管理も行えますし、担当者しか情報を持っていないという状況を解消することもできます。導入を円滑に進められるよう、Excelの情報をインポートする機能なども提供しているので、移行もスムーズです」(松嶋氏)