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世界最速クラスの学習処理能力を実現した富士通のAI「Zinrai」。 常に最先端であり続ける、そのテクノロジーに迫る

オンプレミス製品も含め、「広く」投入

 「広く」というコンセプトは、Zinraiプラットフォームサービスの柔軟なサービス提供形態を指している。

 Ziraiプラットフォームサービスは基本的に、富士通のデータセンターに設置されているプラットフォームをクラウドサービスとして利用することになる。ここにエッジのAIシステムを接続し、そこからデータを収集するとともに学習済みモデルを配信することになる。さらに外部のスーパーコンピュータ/HPCシステムと連携することもできる。

 「しかし一方で、Zinraiプラットフォームサービスを利用するお客様の中には『クラウド環境へデータを持ち出したくない』と考える企業もあります。そこで富士通では、エンタープライズサーバーの技術を応用して、クラウドと同様の操作性と拡張性を備えたオンプレミス製品も提供することにしました」(野田氏)

 このオンプレミス製品は、いわば「Deep Learning専用アプライアンス」とも言うべき垂直統合サーバであり、クラウド環境と同じ高性能GPU、Distributed Caffeによる高速Deep Learningフレームワークを搭載している。しかも、ハードウェアからソフトウェアまで、すべて事前に検証済みでセットアップされており、短期間のうちに導入することも可能だ。もちろん、オンプレミス製品とクラウドを接続し、ハイブリッドなAIシステムとして運用することもできる。

最新のグラフデータ学習技術などで、
「使いやすく」

 「使いやすく」というコンセプトを実現するために、「すぐに使える」「状況が一目で分かる」を実現する多くの技術が搭載された。その一つがフレームワーク、ライブラリ、OSのバージョンの最適な組み合わせを学習環境として提供し、すぐに機械学習が始められるというものだ。

 また各種監視ツール、運用管理ツールのノウハウを活用し、機械学習状況の進捗を分かりやすく"見える化"したダッシュボードも用意されている。このダッシュボードを使えば、学習がどこまで進んでいるのか、GPUの使用率がどのくらいかといった情報も確認できる。

 さらに、Zinraiプラットフォームサービスの大きな特長と言えるのが、AIの適用範囲を広げる技術が多数搭載されていることである。


 「実データ・シミュレーションによる入力データ作成技術、時系列データの学習技術、ニューラルネットワークのパラメータ自動最適化技術などを搭載しています。そして、世界で初めて富士通が開発した最新のグラフデータ学習技術も商品化する予定です」(野田氏)

 このグラフデータ学習技術は「Deep Tensor」という。グラフ全体の構造を含んだ統一的表現(テンソル表現)に変換することで、人手で設計するよりも多様な「特徴量」を自動生成できる。野田氏によると、この技術を使えば従来1週間かかっていた処理がものの数秒で終わるという。

Deep Learning専用プロセッサ「DLU」を開発中

 このように「速く」「広く」「使いやすく」というコンセプトを実現する多くの技術を実装したZinraiプラットフォームサービスは、その先に登場する技術も見すえている。その代表と言えるのが、さらなる高速化を目指して開発中の専用プロセッサだ。

 「富士通は、国内唯一のプロセッサメーカーとして技術を磨いてきました。現在もメインフレームFUJITSU Server GS21のプロセッサ、UNIXサーバ向けのSPARC64プロセッサなどの新規開発・製造を続けています。そのプロセッサ製造技術を応用し、2018年度の製品化を目指しているのが、Deep Learning処理専用プロセッサ『DLU(Deep Learning Unit)』です」(野田氏)

 DLUは、富士通が理化学研究所に納入したスーパーコンピュータ「京」で使われている大規模並列技術を適用したもので、大規模ニューラルネットワーク処理を可能にするDeep Learning専用独自アーキテクチャをワンチップに収めたプロセッサだ。徹底した省電力設計により、2018年度に提供が始まる第一世代のDLUでは、他社比で約10倍の電力性能比を目指している。

 「DLUのアーキテクチャには、階層トーラス構造によるデータ共有により、レジスタデータの効率的な再利用が可能という特長があります。また、高効率な演算処理を実現するためのDeep Learning専用命令を実装しています。これは富士通が特許申請中の技術です。さらに最大10万個のDLUを富士通独自のインターコネクト技術である6次元メッシュ/トーラス構造の『Tofu』によって結合することで、大規模なDeep Learningの学習処理にもスケーラブルに対応することができます」(野田氏)

 なお、第一世代のDLUはホストCPUを必要とするアクセラレータとして提供されるが、2021年度に製品化を目標にしている第二世代のDLUにはホストCPUを一体化させる予定だという。同時に電力性能比も高め、将来的には非ノイマン型ニューロ・量子コンピューティングへの応用も目指すという。

 富士通のZinraiプラットフォームサービスは、まさに本格的なAI時代の幕開けを告げるプラットフォームと言えるだろう。このサービスによって、ビジネスにおけるAIの適用分野がさらに広がっていくに違いない。

図:DLUのロードマップ 図:DLUのロードマップ
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