現在、「口臭ケアサポートアプリ」によるチェックサービスは接客業や営業職など向けのB2Bサービスとして展開の準備を進めているところだ。「舌の画像からニオイリスクを見える化」するという今回のアプリは、口臭チェッカーを持ち歩く不便さや、社員や同僚同士でも相手の口臭を指摘し合うことの難しさ、ニオイチェックを会社の仕組みとして運用することの難しさを解消することにつながることが期待される。
石田氏は「スマホにアプリを入れれば誰でも人目を気にせずに簡単に好きなときに口臭リスクチェックができます。ただ、このアプリのポイントは口臭リスクそのものをチェックすることではないと思っています。重要なことは、口臭によって誰かに迷惑をかけてしまっているのではという不安を取り除くこと。この不安をとりのぞいてあげることで、笑顔で仕事ができる環境が広がると思っています」と話す。
また、道林氏も「安心は自信にもつながります。そうすると、接客のあり方や職場の雰囲気、店舗の雰囲気がよい方向に変わっていくと思います。接客業の方の自信をつけ笑顔を提供していきたい。その笑顔や自信が、来店するお客さんの笑顔に繋がっていって欲しい。そんな思いをもって、「口臭ケアサポートアプリ」によるチェックサービスをさらに良いものに仕上げていきたいと思います」と話す。
今後は、実証実験を通じて口臭ケアサポートアプリの価値検証を素早く行い、このようなサービスやヘルスケア製品の提供を通じて、お客様の健康や笑顔をサポートしていきたいという。価値検証の過程で得られたデータを解析し、新しいサポートシステムを生み出すためにも、データ/AI活用に知見のある企業との連携は欠かせないのだろう。
ちなみに、なぜFJCTのIoTデザインセンターなのかについては、「加藤氏や吉田氏のデータサイエンス基礎講座での話しぶりや、本プロジェクトについて自分事として捉え、真摯に向き合ってくれる姿勢を見て、本当にデータ分析が好きで楽しそうに仕事をしていることがわかったから」だそうだ。「実際に、要求以上の結果やさらなるサービス価値向上のための提案をいただいています。」と、石田氏は嬉しそうに語っていた。
イノベーションラボでサービスの体験価値を高めるなどというと、大上段にものを考えてしまいがちだが、案外「笑顔がいい」「楽しそう」といった何気ない仕草や心配りがプロジェクト成功のカギになってくるのかもしれない。IoTデザインセンターやデータサイエンス基礎講座にご興味を持たれた方は是非下記リンクもご覧いただきたい。