ほぼ1人情シス”成功事例で見えてくるシステムのあるべき姿
経営におけるITの役割が拡大し、システムは年々拡大し複雑化している。増え続けるサーバ、複雑化するネットワーク、それと共に、セキュリティ対策や内部統制、BCPニーズの高まり…。情シス担当者がやるべきことは山ほどある。
しかしながら、中堅・中小企業の多くは「スキルを持った人材を確保できない、配置できない」という悩みをかかえている。やむなく“ほぼ1人情シス”や“兼任情シス”でしのいでいるという企業も多いはずだ。
中小企業庁は2008年度版の中小企業白書で「中小企業におけるIT投資やITの活用における課題」との調査項目をまとめているが、同項目の回答割合のトップがまさに”自社に適したIT人材が不足している”であり、その回答比率は41.2%に達した。こうした傾向は翌年度以降の白書においても指摘されている。ちなみに2位は”IT関係の設備投資にあてる初期投資コストの負担”の33.7%である。白書はこれを受け、「中小企業がITを有効活用する際の大きな課題は人材の確保と投資コストの負担にある」と分析している。※1
中堅・中小企業が、人的リソースを最小限に抑えながら、日々複雑化するITを活用し経営に役立てるには、どうすればよいのだろうか。
その現実解となるのがクラウドの活用だ。ハードウェアやソフトウェアを必要以上に自社で所有するのではなく、サービスとして利用することで利用効率や管理効率をあげるわけだ。この「所有から利用へ」の流れは、大企業だけのものではない。サービスによっては、情シス担当者の不足している中堅・中小企業、さらに言えば“ほぼ1人情シス”や“兼任情シス”にこそメリットがあるといえる。実際、2011年の中小企業白書においても、前述した人材やコストの課題をクリアし、中小企業が競争力を強化するための重要施策として”クラウドコンピューティングの利用促進に向けた環境整備”を挙げている。※2
だが数あるクラウドの選択肢から、どのように自社に最適なサービスを選定すればいいのだろうか。そこで本稿では、中堅中小企業がクラウド化する際の成功のポイントを、2回に分けてお伝えしていく。
※1※2 中小企業白書は、http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/より詳しくご覧頂けます。
- 大胆なアウトソーシングで霧散した、“ほぼ1人情シス”の問題点
- ○町田印刷株式会社
- ○株式会社東京ダイヤモンド工具製作所
- ○株式会社スペースデザイン
- 標準化されたIT基盤という強み 管理コストを引き下げ、ビジネスを成長させる
- ○NSファーファ・ジャパン株式会社(旧社名 ニッサン石鹸株式会社)
- ○日清紡ポスタルケミカル株式会社
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