製品情報

Quest

Jukebox Multimedia 20

【主なスペック】
【発売日】
2002年11月
【メーカーサイト】
LINK

ユーザーレビュー

2003年01月27日 00時00分
動画も再生できる携帯HDDプレイヤー。それがJukebox Multimedia 20です。
もともとの製品は仏ARCHOS社が開発したもので、それをクエスト社が国内で
輸入販売している形になります。

そこで、まずポイントとしておさえておかなければならないのが

  日本語化されているのはマニュアル(+箱)のみで、本体や
  付属ソフトは英語のままである。

この点だけは注意してください。
また、大変マイナーな機械であるため、活用ノウハウのようなものも日本語では
大変に情報が少ないです。こういったことをある程度「覚悟」できない人は
この商品を使いこなすのは難しいかもしれません。
しかし、同じカテゴリに入る製品がそもそもほとんど無い現状ですから、
覚悟さえ決めてしまえばこれ以外に選択肢は無い、とも言えるでしょう。

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1.大きさ・重さ
本体内に2.5inch HDDを内蔵しているため、携帯プレイヤの中では結構大きく重い
ほうかと思います。しかし、「20GBの2.5inch HDDを内蔵し、カラー液晶を搭載
して動画が再生できる」マシンとしては「思ったより小さいな」というのが
正直な感想です。
実際、写真を見て想像していた大きさよりも、実物は一回り小さい印象を受けます。
ポケットの中…は苦しいかもしれませんが、ポーチやカバンに入れれば十分携帯可能です。

重さは結構ずしっとしています。音楽プレイヤーと違い、文庫本を読むような
感じで「手に持って」鑑賞するタイプの製品なのでこの重さは結構キます。
電車内で立ったまま長時間視聴するのはちょっと疲れるかもしれません。

2.バッテリー
mp3再生で連続8時間、動画再生で連続3.5時間〜4時間弱くらい持ちます。
基本的に一日無充電で持つレベルだと思います。会社/学校で充電して帰りたい、
というような場合は、一般的なEIAJ統一極性型の5V ACアダプタが使えます。

3.音質
音質云々を気にできるほど耳が肥えていないので、この点の評価は割愛します。
個人的には不満は無いです。

4.PCリンク
USB1.1接続でそのままストレージクラスとして認識します。携帯HDDとしても
使用可能で、そのうちmp3,avi,jpgファイル等を再生することができます。
USB1.1は少々遅いといえば遅いですが、拡張パックを使用することでUSB2.0や
FireWire等にも対応するようです。
コネクタは一般的なミニUSBタイプなので、付属のケーブルの他市販品も
使用できます。

5.ユーザインタフェース
UIは正直あまりよくありません。連続した曲を再生する際の曲間はほとんど
ありませんが、再生中に(省電力対策か)頻繁にHDDを止めるので、
ディレクトリ移動など何かユーザが操作しようとするとスピンアップを
待たされたりします。
しかし細かい便利機能も多いので、慣れればそれほどストレスも感じません。
リモコンはそもそも存在しませんが、もともと音楽を聴く、というより動画を
見ることのほうが多いので本体ボタンのみで不便はありません。

6.動画再生・液晶
超高品質な携帯電話の液晶を見慣れた日本人の視点で見ると、液晶の質は
あまり良くないです。微妙なちらつきや画素のRGBが見える、サイズが小さいなど、
がっかりする要素満載です。
ただし、動画を再生させると結構これが気にならなくなります。店頭デモで
よく使われている動画(電車や車の動画,映画の予告編)はもともと本体に
プリインストールされているデモ動画なのですが、このデモ動画だけでは
判断しないほうがいいかもしれません。(デモ動画で再生がひっかかることが
あって「あれ?」と思ったのですが、自前でエンコードしたデータは全然
ひっかからないです)
画素や画面のサイズの問題で、映画の日本語字幕はかなり厳しいです。ぎりぎり
読めないこともない…ので、気合があれば鑑賞は可能ですが、日本語吹替で
見たほうがより快適でしょう。

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まず、基本的な"ガジェットとしての"評価とすれば、「製品の質としての
作りこみは日本メーカーの製品には全然及ばないが、一応ひととおりの
ことはできる」というあたりかと思います。
製品の質感とか、細かい仕上げの作りこみにこだわるような人には向きません。
一言で表現すると"iPodを期待すると激しくがっかりする"という感じでしょうか。

ただ、この製品はとにもかくにも「動画が再生できる」という特徴があります。
そこでここからは動画機能に絞ってレビューを続けます。


再生できる動画はDivXでエンコードした、CIF(352×288)サイズまでの動画です。
JBMM(Jukebox Multimedia)向けの動画のエンコードはDivXを使用しますので、
普段使っている動画関連のアプリケーションがほぼそのまま使えます。
実際、添付アプリケーションの変換ツール"MPG4 Translator"は変換エンジンと
してVirtualDubをそのまま使用しています。

DivXで規定の通りエンコードした動画に関してはほぼ問題なく再生できます。
また30fpsきっちり出るので、動画としてはかなり「きちんと」鑑賞できます。
が、逆に規定の通りエンコードしていない動画に関してはそのまま再生
できることはほとんどありません。例えば他のMPEG4系のコーデックで
DivX互換としてエンコードしたデータでも再生できないことが多いです。

そこで既に各種動画ファイルをマイライブラリとして持っている方は、
おそらくほとんど再エンコードする必要があるかと思います。
ただ、変換作業はほとんど手間がかかりませんので(MPG4 Translatorの
インストールを終えれば、あとは簡単な設定をしてクリック一発)
それほど負担にはなりません。
また、うまく工夫してバッチ処理ができるようになるとさらに変換の負担は
軽くなるかと思います。

ムービーの早送り・巻き戻しはそこそこレスポンス良く動作します。
(ただしPC上でMedia Playerを使っているようなレスポンスはありません)
また、動画のレジュームも可能ですので、通勤の行きと帰りで映画を1本
見る、のような使い方も楽に可能です。

総じて、「モバイル動画鑑賞マシン」としてはかなり優秀なほうかと思います。
既に動画データの蓄積がある人には、番組消化マシンとして最高に便利です。

たとえばMT-AV1と比較すると、JBMMは液晶の質・軽さ・ガジェットの質感などで
劣りますが、HDD搭載による容量の余裕と、動画ファイル変換の圧倒的な簡単さ
(DivXのaviで良い)、動画データの再生能力(30fps可能)で優れています。

一番組をSDに入れて片道で消化する、というのも良いのですが、とりあえず
未視聴の番組を端からエンコードして突っ込んでおき、毎日その日の気分で
動画を選んで視ながら移動する、というスタイルが可能なのは大きいです。

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まとめると、
「撮り貯めた番組(動画データ化済)を消化するマシンが欲しい」という
向きにはかなり便利に使えるマシンかと思います。
しかし、その「モバイル動画鑑賞」という概念に魅力を感じない人には
合わないかもしれません。

少なくとも私は毎日大変便利に使っています。
毎日映画やドラマを見ながら通勤。とても快適です。

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参考リンク

Jukebox Multimedia 20 徹底活用
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/9089/archos/index.html

2ちゃんねるデジタルモノ板Jukebox Multimedia 20スレッド
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/dgoods/1036578471/

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