EMCは、オンラインストレージおよびバックアップの利用を検討している企業を対象とする新たな事業計画と製品を発表した。
EMCは先週末、「EMC Fortress」戦略の第1弾として「MozyEnterprise」を発表した。EMCではこの製品を、遠隔地にあるPCおよび「Windows Server」環境に対しサブスクリプションベースのオンラインバックアップ/リカバリサービスを提供するものであるとしている。
EMCの新しいSoftware as a Service(SaaS)事業部門でゼネラルマネージャーを務めるTom Heiser氏は「当社は、顧客に中央集約型の会計、管理およびメータリング機能を提供する、安全かつ拡張可能なマルチテナント型SaaSデリバリプラットフォームとして、『EMC Fortress』を投入した」と語る。
MozyEnterpriseのターゲットとなるのは大企業だが、その価格から、EMCがEMC FortressでMozyEnterpriseを中小企業にも手の届くものにしようとしている。PCおよびノートPC向けMozyEnterpriseの利用料金は月額5.25ドルに加え、1Gバイトあたり月額70セントかかる。サーバモジュールの利用料金は月額9.25ドル、1Gバイトあたり月額2.35ドルを支払う。
EMCは2007年9月、ストレージ/バックアップサービス「Mozy」を開発したオンデマンドバックアップの専門企業Berkeley Data Systemsを7600万ドルで買収し、SaaS事業参入への道を開いた。
調査会社の451 Groupは、MozyEnterpriseはEMCの方針の転換を示すものだとする。「EMC Fortressの発表は、(中略)EMCにとり新たなフロンティアの幕開けを意味する。Mozyが、主にそれまで十分なデータの保護をしてこなかった「未開拓」企業(既存のバックアップシステムを持たない)や個人にアピールすることで、消費者および中小企業を対象としたバックアップ市場を席捲してきたことは疑いのない事実だ」(451 Group)
調査会社のGartnerでは、ストレージをSaaSアプリケーションに移行することは、本来何ら困難を伴うものではないとする。同社は調査報告書の中で「バックアップは、SaaSアプリケーションの中でも最も容易に導入できるものの1つと言える」と述べている。「多くのサービスプロバイダーが、『Amazon S3』や『Nirvanix』のオンラインストレージインフラストラクチャーを利用してインターネットベースのバックアップサービスを提供している」
しかし、Gartnerはまた、同報告書の中で、オンラインストレージサービスがより洗練されたものになるに従い、EMCが課題に直面する可能性があるとしている。「これから先、とりわけ現在のアプリケーションを社内で修正したり開発したりする必要に迫られた場合、EMCにとり、SaaSサービスの提供はよりハードルの高いものになる可能性がある」(Gartner)
Gartnerでは、SaaSサービスの対象となり得る分野として、電子メールのアーカイビング、コンテンツ管理などを挙げている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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