検索結果の表示順位向上を狙った不正行為を非難されているアドウェアメーカーWhenUのCEOが米国時間13日、YahooとGoogleから同社サイトへのリンクを遮断されたことを認めた。
WhenUの不正行為は、ハーバード大学の学生で反スパイウェア活動家のBen Edelmanによる調査で明らかになった。同調査によると、WhenUは「クローキング」というテクニックを使って、おとりのウェブページが各検索エンジンの検索結果の上位に表示されるよう操作したという。このおとりページへのリンクをクリックしたユーザーは、表示とは別のページに飛ばされてしまう。
13日にYahooとGoogleで「WhenU」という語を検索したところ、YahooではWhenUサイトへのリンクが遮断されており、GoogleではWhenUサイトへのリンクそのものが存在しなかった。
WhenUの最高経営責任者(CEO)Avi Naderは、問題の行為はニューヨークに拠点を置く外部の検索エンジン最適化(SEO)企業の仕業で、WhenUは今後この企業との取引は行わないと語った。
Naderは、各検索エンジンの検索結果の上位に同社のおとりのウェブページが表示されるよう仕組んでいたことに言及し、「今日の警告を受け、(おとりのウェブページを)全て排除した」と語った。また同氏は、「近いうちに、自社のウェブページが主要検索エンジンで再びリストアップされるものと期待している」と述べた。
この件について、GoogleとYahooの広報担当者にコメントを求めたが、即答は得られなかった。
Googleのウェブサイトに掲載されているFAQのリストには、クローキングなど、表示順位の操作を目的としたいかなる行為も禁じる旨が明記されている。
Googleのリストには以下のような記述がある。「クローキングとは、サーチエンジンのクローラに代替のウェブページのURLを返すようにしているウェブサイトを表す用語です・・・Googleでは、検索結果の精度と品質を維持するために、表示順位の操作を目的としてクローキングを行っているサイトやその作成者をインデックスから永久に追放する場合があります。」
今回の検索に関する騒動以外でも、WhenUはすでに、アドウェアの合法性をめぐる議論の的となっている。アドウェアは一般に、ユーザーのネットサーフィンの傾向をモニターし、各ユーザーに合わせた広告を提供する目的で使われるソフトウェアを指す。WhenUはパソコン上にポップアップ広告とポップアンダー広告を表示させるソフトの開発を手掛けているが、それらの広告が商標や著作権を侵害しているとして、企業数社から訴訟を起こされている。
WhenUのデスクトップソフトは、ファイル交換ソフトKazaaなどの人気の無料アプリケーションとともに広まった。同社は、ユーザーのウェブ閲覧を監視する追跡技術により、各ユーザーの趣味嗜好に的を絞った広告の販売を行っている。
WhenUのソフトをいわゆる「スパイウェア」だと考える人もいる。スパイウェアという用語は様々な意味で使われるが、消費者を様々な予期せぬ結果に導くプログラムを指す場合もある。具体的な例としては、知らぬ間にPC内にインストールされたスパイウェアが、ユーザーのウェブサーフィンの傾向を監視したり、広告を表示したり、あるいは最悪の場合パスワードを盗むこともある。
WhenUは、同社のソフトはスパイウェアには当たらないと主張している。その理由として、Naderは以前、同社のソフトをインストールするユーザーに対し十分な情報を提供していること、個人情報も守ること、ユーザーが同プログラムを簡単に削除できることを挙げていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス