英国を本拠とする無線通信キャリアOrangeと米Microsoftは現地時間2月18日、ソフトウェアの認証作業などを行うプログラムMobile2Marketを発表した。MicrosoftのSmartphone2002を搭載する搭載携帯電話機向けにゲーム、着信音、ビジネスアプリケーションの開発を手がけるデベロッパに対して和解を求める態度を示したのだ。
2社とデベロッパは過去数カ月のあいだ対立を深めていた。デベロッパ側の言い分は、MicrosoftとOrangeが、例えば開発ソフトを合法的にテストするための携帯電話機など、基本的な開発用ツールの提供を怠っているというもの。
「一部のデベロッパは仕方なく自身の手でテストを行い、Orange製携帯電話機SPVのセキュリティ機能について調べたのだ」(スマートフォン関連デベロッパのオンラインコミュニティーMoDaCo SmartPhoneのウェブマスターPaul O'Brien)。MoDaCoは早い時期に、SPVのセキュリティを解除して、Orangeが認定していないソフトウェアをダウンロードする方法をウェブサイトに掲載している。なお、SPVはSmarphone 2002を搭載した最初の携帯電話機である。
Mobile2Marketにより、デベロッパは同様の作業を合法的に行うことができる。また、ソフトウェアをOrangeに申請すれば、Orangeによる試験と認定作業を経て、販売することが可能。
大半の無線通信キャリアは着信音、ゲーム、ビジネスアプリケーションなどのダウンロードソフトを数ドル程度の単価で販売している。これを特に活用しているのは、ビデオ再生や写真撮影機能を搭載し、企業のコンピュータネットワークにも接続できる処理能力の高いスマートフォンのユーザーだ。こうしたアプリケーションによる収入は、通話料の下落による減収を緩和している。
しかし、ダウンロードソフトの販売は通信事業者にとっては危険なビジネスだ。一般的にダウンロードソフトはサードパーティーによって開発されており、バグを含んでいる可能性があるため、そこから発生するトラブルがユーザーを遠ざけかねない。Mobile2Marketのような認定プログラムは、こうした問題のあるプログラムを取り除くことを目的としている。
合法的にソフトウェアをテストする手段が提案されたわけだが、デベロッパはなお判断を保留している。「適切に対応してもらえるなら、デベロッパは喜んでOrange-Microsoftと協力するだろう。唯一の解決策は、個人や企業規模のデベロッパのニーズを理解した組織的なデベロッパプログラムを立ち上げることだ」(O'Brien)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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