柳澤氏は学生時代の起業について、「会社がつぶれても学生なので経験として得られるものがある、ノーリスクハイリターンか、ノーリスクローリターン。サークルの延長線上だった」と語る。そういった環境だったため、両親や周囲の友人からも特に反対されることはなかったそうだ。
「小学校の文集に『社長になる』と書いていたくらい。昔から起業することを周囲にも言っていた」という石原氏。学生時代からベンチャー企業で営業経験を積むなどしてきたが、友人の紹介で知り合ったプログラマーとの出会いで、ウェブサービスでの起業を決心したと語る。兵庫県神戸市生まれの石原氏は中学生時代に阪神大震災を経験しており、「今行動しないと人間いつ死ぬかわからない」という思いが自身を動かす根底にあると語る。
現在20代の3人だが、10年後のビジョンについて、どのように考えているのだろうか。
西川氏はスーパーコンピューターの小型化を挙げる。Googleなどで使われている機械学習の技術を発展させ、人の集合知を集めて1人の人間に匹敵するような人工知能を作り、それを結びつけることで「(単なる)データのネットワークから(複雑な)情報のネットワークを作れるのでは」(西川氏)と期待を寄せる。
また、柳澤氏は「クラウド」と「スマートフォン」をキーワードに挙げて自社の方向性を語る。同氏はクラウド側での処理が増えることで、クラウドにアクセスするスマートフォンの重要性が高まると予測する。「Androidのように無料のOSや、似たようなものが出てくる。世界40億台の携帯電話がすべてスマートフォンになる」(柳澤氏)
そこで、「クラウド×スマートフォン」という環境で利用できるような、エンターテイメント向けアプリプラットフォームを作っていくことが当面の目標になるとした。現在LightBikeのユーザー数は200万。まずはこのユーザーをベースに、課金やソーシャル機能を実現するプラットフォームを開発していく。
石原氏は、ワイアードで4年間CiFTER事業1本だけを手掛けてきたことを語った上で、「CiFTERに付随するサービスはやっていくが、ほかにも自分の中でやりたいことがあるので、10年で出していきたい」と語った。
このイベントは、IBM Venture Capital Groupパートナー日本代表の勝屋久氏、経営コンサルティングを手掛ける本荘事務所の本荘修二氏の両名を中心にした有志団体「BRIDGE 2010実行委員会」が企画したもの。2009年11月に開催した「BRIDGE 2009」の反響が大きかったことから、2010年は月1回ペースでイベントを開催する計画で、4月5日にも「メディアとマーケティングの革新」をテーマにしたトークセッションが予定されている。
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