11月6日にサイトをリニューアルした「オリヒメ」は、ユーザー参加型の商品開発を実現するオンラインショップだ。
サイトでは女性向けのPCケースやPCバッグなどを販売しているが、最大の特徴は、ユーザーがデザインを提案できる点にある。デザインされたバッグはサイト上で人気投票にかけられ、一定数を超えると商品化される
PCバッグの場合、「サイズ」「素材」「カラー」「ファスナー」の好みを組み合わせデザインをしていく。組み合わせによって「商品化までに必要な投票数(20票から)」や「参考価格」がリアルタイムで表示される。「『おしい!』を『ほしい!』に」というコピーにあるように、すでに販売および提案されているバッグをベースに、カスタマイズを加えることも可能。
PCケースの価格は5780円から、PCバッグの場合は8980円からとなる。定番アイテムは23種類用意しており、利用者層は20歳〜34歳までのF1層と呼ばれる女性がメイン。やはりファッションに関心の高い人が多いそうだ。
カスタマイズをしたユーザーは「デザイナー」となり、得票数に応じてサイト上にランキング表示される。デザイナーのページでは、ニックネームや年齢、よく読む雑誌といったプロフィールが表示される。また、デザインを提案する際には、デザイナーが説明をつけたり、そのデザインを見たユーザーからのコメントをもらうこともできる。
バッグはサイト上から購入できるほか、東急ハンズ横浜店やソフマップ本館、慶應義塾大学生協(日吉・三田・湘南藤沢キャンパス)、新宿マルイ本館(12月13日まで)などの店舗でも販売されている。店舗で商品を見て、カスタマイズを希望するユーザーをオンラインショップに案内することで店舗ごとのユーザーニーズを分析。常に最適な品ぞろえを実現することを目指している。
オリヒメを運営するのは、2008年4月創業のアゲハ。代表取締役は慶應義塾大学大学院の学生でもある木下優子氏。オリヒメは木下氏が同大学院で研究していた「ユーザー参加型商品開発プラットフォーム」をもとに展開しているサービスとなる。 木下氏は以前、渋谷のファッションビルSHIBUYA109でバイトをしていたが、「多くの人が商品を手に取っても購入に至らないことが多かった。お客さんごとにニーズが異なり、全体感をつかむことが難しかった」のだという。そのような経験から、「カスタマイズで機会損失を防ぎつつ、具体的なニーズ情報をくみ取る」というオリヒメの発想が生まれたようだ。
今後は、ユーザー主導でヒット商品を開発できるプラットフォーム作りを目指す。具体的には、カスタマイズや投票、コメントといったアクションの際、「ユーザー属性」と「チャネル属性」をひも付けることで、「具体的にどんなデザインが、いつ、どこで、誰に、なぜ、いくらで、どのくらい人気なのか」といった実需情報を収集し、適切な販路にすばやく卸す仕組みを確立していくとのこと。
アゲハは経済産業大臣賞をはじめとして、国内外のビジネスプランコンテストで10つのアワードを受賞。11月には、ネクストとダイアモンド経営者倶楽部が主催する「NEXT ENTREPRENEUR 2009 AWARD」でも優秀賞を受賞した。
今後は、12月中にボストンバッグの取り扱いを開始。その後はデジカメケースも取り扱うなどラインアップの拡大を予定する。また、オリヒメ以外のファッションブランドも展開するると同時に、他社商品も含めた総合的な参加型オンラインセレクトショップとしての展開を考えている。12月中にも早速、アントレックスのライセンスブランド「BUILT」のパソコンバッグも取り扱いをはじめる予定だ。
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