TIS、クラウド「SAP ERP」提供--費用は約10分の1、最短8週間で導入

田中好伸(編集部)2011年01月26日 14時22分

 ITホールディングスグループのTISは1月25日、「SAP Business All-in-One」を採用した基幹業務向けクラウドサービス「TIS Ondemand Service for SAP ERP」の提供を始めたことを発表した。早期かつ低価格で統合基幹業務システム(ERP)パッケージ「SAP ERP」を導入できるとしている。

 TIS Ondemand Service for SAP ERPは、TISが提供している企業向けPaaS/IaaS「TIS Enterprise Ondemand Service」の上にSAP ERPを企業個別に構築して、SAPライセンスや稼働環境、運用保守のサービスを月額課金形式で提供する。初期費用はERP構築とネットワーク開設、データセンター初期費用、OSなどを含んで1000万円から。月額利用料金は1ユーザーあたり1万8900円から、最大100ユーザーまでとしている。

 ユーザー企業が使用する業務範囲に応じて、タイプI〜IIIという3タイプのサービスメニューを用意している。タイプIは会計、タイプIIは会計・販売・調達、タイプIIIは会計・販売・調達・製造となっている。「企業ごとのカスタマイズは対応可能だが、費用は個別見積もり」と説明している。TIS Ondemand Service for SAP ERPを利用してSAP ERPを導入した場合、従来の方法で導入した場合と比較して、初期投資費用を約10分の1に抑えられると、そのメリットを強調している。

 導入では、中堅企業向けにTISが開発したSAP ERPの導入方法論と、TISオリジナルのERPテンプレートを活用することで、最短8週間という短期間でERPを構築できるとしている。TISのERPテンプレートには複数元帳対応、財政状態計算書や包括利益計算書の表示、固定資産管理などがあり、日本での導入が見込まれている国際財務報告基準(IFRS)にも対応しているという。また中国をはじめとする海外各国の税法要件に対応したテンプレートも今後の提供を予定しており、海外を含む関連子会社への拡張展開にも対応できると説明している。

 インフラ部分にクラウド環境を利用することで、ユーザー企業によるライセンス購入やハードウェアの個別調達が不要になり、システムの初期投資を最小限に抑えられるとしている。ハードウェアの運用保守費やアプリケーション保守費はTIS Ondemand Service for SAP ERPの月額利用のサービス費用に含まれるため、ランニングコストも最適化できると説明している。

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