常に進化し続ける--最近のFacebookの動きをまとめてみた

 映画『ソーシャル・ネットワーク』の日本公開で話題を呼んでいる「Facebook」にあらためて焦点を当て、「Facebookはどのようにはじまったか」、「マーク・ザッカーバーグってどんな人?(前編後編)」という記事を続けて執筆したが、今回は、一連の締めくくりとして、最近のFacebookを振り返ってみようと思う。今後の動きが何か見えてくるかもしれない。

人材確保のための小規模企業買収

 2006年9月、一般向けにリリースされたFacebookは、その後、会員数の増加に伴い、さまざまな機能の追加や他企業との提携などを重ねてきた。

 Facebookは、小規模な企業の買収を行い、エンジニアリング関連の人材の強化を行ってきた。2007年の「Parakey」の買収では、ブラウザ「Firefox」の元開発者らをFacebookのメンバーとして迎え入れていた。

 直近では、2010年4月に写真共有サービス「Divvyshot」を、2010年7月に旅行情報サービス企業「NextStop」を買収しており、どちらも、買収後にサイトは閉鎖し、メンバーはFacebookに参加している。

 2009年8月には、ソーシャルアプリケーション統合サービス「FriendFeed」を買収した。この頃のFacebookの登録者数は2億5000万人。FriendFeedの共同創設者であるPaul Buchheit氏やBret Taylor氏をはじめとするメンバーは、 元GoogleのエンジニアでGmailやGoogleMapsなどの開発に深くかかわったとされる面々だ。FriendFeedの買収も、人材獲得が目的と言われている。なお、Taylor氏はFacebookの現CTO、Buchheit氏は2010年9月にFacebookから離れ投資家に転身している。

提携によるデジタルグッズ決済やソーシャル検索への取り組み

 2010年2月、PayPalと提携し、オンライン広告システム「Facebook Ads」と、Facebook内でのゲームやアプリケーションなどの売買に利用する仮想通貨「Facebook Credits」の決済手段としてPayPalを採用した。

 Facebook利用者の約7割が米国外に在住しているが、小規模な米国外の企業にとっては、同サイト内でのキャンペーン実施が容易になる。さらにPayPalは同10月に、デジタルグッズやコンテンツ用の「少額支払いサービス」を開始したが、Facebookはすぐにその導入を発表した。FacebookとPayPalがタッグを組むことで、このデジタルグッズ決済の仕組みが世界標準となっていくだろうとも言われている。

 2010年6月にはYahooとの連携機能を開始した。Yahooとアカウントをリンクさせ、双方のネットワークでユーザーのコンテンツを共有可能にするというものだ。Yahoo!やYahoo MailのサイトからFacebookのNews Feedの更新情報が閲覧可能となった。

 同10月にはMicrosoftとソーシャル検索の分野で提携を拡大。最新のアップデートや、よく共有されているリンクなどをBingの中で検索できるようにした。例えば、Bingで商品の名前を検索すると、その商品に対して「いいね!」ボタンを押したFacebook上の友人が表示されるようになった。

ネットメディアとして注目される重要な機能の追加

 2010年、Facebookはメールや位置情報といった重要な新機能を追加した。5億人という会員数を持つ巨大ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の、巨大なユーザーベースを武器にしたこれらの機能はそれぞれ「Gmailキラー」「Foursquareキラー」などと呼ばれ話題になった。

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