UPDATE 米連邦通信委員会(FCC)は米国時間12月21日、論議を呼んでいるネット中立性の規則を正式に承認した。ただし、こうした規則を策定し施行する権限がFCCにあるかどうかについては、今後も引き続き問題となる可能性があるため、論争の決着にはほど遠い状況だ。
FCCは、委員長を務める民主党員のJulius Genachowski氏に加え、さらに2人の民主党委員、Michael Copps氏とMignon Clyburn氏の支持を得て、3対2でこの規則を可決させた。2人の共和党委員Robert McDowell氏とMeredith Attwell Baker氏は反対票を投じた。
FCCでは、これらの規則の必要性をめぐって民主党員と共和党員で見解が分かれているが、規則を施行するFCCの法的権限が依然として不明確であるという点では、委員4人とも意見が一致しているようだ。McDowell氏とBaker氏は、Comcastがネット中立性の原則を侵害したとしてFCCが起こした裁判で、2010年4月にFCCが米連邦控訴裁判所で敗訴したことは、裁判所がFCCにこうした規則を適用するための法的権限はないと考えているとの明確なメッセージを伝えている、と述べた。両氏はまた、これを受けてFCCは自らの権限を擁護するため裁判に訴えることになるだろうから、規則を制定すべきではないと主張した。一方、不本意ながらも新たな規則に賛成票を投じた民主党委員たちは、FCCは引き続きブロードバンドトラフィックの再分類を検討し、新規則を強制する権限を持つことを明確にすべきだと述べた。
Genachowski氏は発言の中で、法的権限という問題には触れなかった。同氏は2010年夏、ブロードバンドトラフィックを再分類することにより、ブロードバンドの一部の要素を電話網の規制に使用していた旧規則に準拠させるという「第3の道」を提案した。この提案は大きな批判を受けた。それを受けて、Genachowski氏はここ数カ月間、ブロードバンドトラフィックの再分類という議論から距離を置いている。
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