グーグルは11月24日、動画共有サイト「YouTube」で提供されている著作権管理サービスの仕組みを紹介した。
現在、YouTubeには1分間に35時間分の動画が投稿されているという。これらの動画の著作権を管理する上で課題となるのが、「膨大な数の動画のコントロール」と「動画の権利者の把握」だ。
YouTubeではサービス開始当初、これらの課題に対し、著作権違反動画を繰り返し投稿するユーザーのIDを削除する「3ストライク」、申告を受けて削除された動画のハッシュ値と同一の動画を2度と投稿できない「MD5ハッシュ」などの技術で対応してきた。また、権利者が複数の動画の一括削除をYouTubeに依頼できるツールも提供していた。しかし、動画が加工されてしまうと、MD5ハッシュでは検知できないという新たな課題も発生していた。
そこで2007年10月14日に提供開始されたのが、権利者が自身のコンテンツを発見して管理できる「コンテンツIDシステム」だ。権利者がYouTubeのバックエンド上に動画を登録し、同一の動画をユーザーが投稿できないように設定することで、該当動画の投稿をブロックできる。映像は連続した写真(1秒30フレーム)で構成されており、コンテンツIDシステムではこれらのフレームに含まれる光の要素の変化を数値化している。加工されていた動画であっても、光の変化によって数値が合致するため検出できるという。
投稿をブロックされたユーザーには、権利者によってブロックされたという旨のメールが届き、権利者にもブロックした結果のレポートが届く。また権利者は、世界255の地域別に動画の公開範囲をコントロールできる(例えば、米国では公開するが、日本では公開しないなど)。
グーグルのコンテンツパートナーシップ統括部長の水野有平氏によると、コンテンツIDシステムによる著作権違反動画の検出率は99%以上だという。また、GoogleはコンテンツIDシステムの技術開発に数十億円を投資している。現在、コンテンツIDシステムのパートナーは世界で1000以上にのぼり、バックエンドに登録されている動画の数は400万件以上にのぼる。国内のパートナー数は2009年と比べ約2倍に増加したという。
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