GMOインターネットとアクロディアは、Android端末市場に参入するための支援を行うアプリやろうぜ!第2弾「アンドロイドやろうぜ!byGMO」プロジェクトを発足。11月1日にはこのプロジェクトのカンファレンスが行われた。
このカンファレンスでは主に同プロジェクトの概要について説明、そしてコンテンツプロバイダーによるパネルディスカッション、そして目玉となる賞金総額3000万円のAndroidゲームアプリコンテストの概要が発表された。
発表会の冒頭ではGMOインターネットグループ代表の熊谷正寿氏が登壇。そのなかでAndroid端末市場の拡大性に触れ、販売シェアの予測として2010年の段階でiPhoneを超え、2014年には現在の5倍になるとし「史上最大のゲームプラットフォームになると確信している。2、3年後にはアンドロイドに変わっている」と述べた。
そんなAndroid端末におけるゲームアプリ市場だが、Googleの提供するAndroid マーケットでは、違法コピーの心配やアプリが埋もれてしまう心配、さら24時間でキャンセルできるというキャンセルポリシーもあってか、遊ばれてキャンセルされるという懸念があるという。こういったことから、なかなか優秀なゲームコンテンツが流通できる状態にはないとし、これらを解決したのが本プロジェクト「アンドロイドやろうぜ!byGMO」となっている。
そして、このプロジェクトにおいては10のメリットがあるとして挙げられた。
(1) 「@GMO GameCenter」から世界中にアプリを配信
(2) マルチOS、マルチデバイス対応の開発ツール「VIVID RuntimeR」を無償提供
(3) iPhone から短時間での移植を可能にする開発サポート
(4) キャンセルされない、コピーされない環境を提供(独自のDRMシステム)
(5) 国内主要3キャリアによる課金に加え、多彩な決済手段を準備
(6) 月間視聴者数約3000万人のGMOインターネットグループメディアで集客支援
(7) 技術ドキュメントからアプリ公開まで全てを日本語で対応
(8) 多言語対応するための各種サービス、サポートを用意
(9) 少人数の無料技術カンファレンスの定期実施
(10) 賞金総額3000 万円のコンテストを実施(受賞枠150アプリ)
特に特徴とされていたのが、アクロメディアの開発ツール「VIVID Runtime SDK」の無償提供。マルチOS、マルチデバイスに対応したツールで、Android、Windows Mobile、BREW、Symbianなど、あらゆるOS環境のデバイスで動作するという。また、Objective-Cに対応しているので、すでに開発済みのiPhoneアプリの移植も容易であることもメリットとして上げられた。
またエンドユーザー向けのポイントとしては「@GMOゲームセンター」、略して「Gゲー」でアプリを配信するサービスを行う。ゲームに特化し「見やすい」「探しやすい」「わかりやすい」を意識して、埋もれないインターフェイスになるという。また決済方法についても国内主要3キャリアによる課金に加え、少額決済や繰越課金にも対応したマルチ決済システムを準備。いわゆる「クレジットカードだけ」というハードルの高さを低くして購入しやすくする施策となっている。
そして本プロジェクトの大きな”仕掛け”となるのが、賞金総額3000万円、受賞枠182アプリのコンテストの実施。最優秀賞2作品には賞金300万円の授与のほか、カテゴリ別大賞には、約3000万人が視聴するGMOインターネットグループの各メディアでプロモーションをする副賞も用意されている。また参加資格に個人・法人は問わないとしている。
このコンテストのスケジュールとしては11月1日に開発ツールの提供・審査受付を開始。11月26日の予定で「@GMOゲームセンター」がオープン。そこから2011年3月31日までを評価期間とし、4月に受賞者を決定するという。このコンテストでは一部の賞を除き、基本的にユーザーレビューの星の数の総数によって賞が決められるため、早めのアプリ公開が有利になるかもしれない。一方で、開発には参加しないユーザーでも、コンテスト作品ながらも多くのゲームアプリに触れられる、そして評価という形で参加できるという楽しみも用意されている。
ここで「Androidのゲームアプリ市場について」というテーマで、コンテンツホルダー(ゲームメーカー)のパネルディスカッションが行われた。
「こういう市場が一番盛り上がるのは、プラットフォーム同士が激突してガンガンぶつかり合って切磋琢磨する状況だと思う」と切り出したのは株田氏。かつてセガはプラットフォームホルダーだった時代があり、その経験して語った。そしてようやく”使えるAndroid端末”が揃ってきた感じがするので、これからiPhoneとAndroidが激突する、そして日本のスマートフォン市場が盛り上がるのではないかという見方を示した。
その一方ではまだ厳しい現状、とりわけどうビジネスモデルを構築していくかに頭を悩ませている現状もうかがえた。この市場の問題点というテーマに株田氏は、中国の違法コピーを例に挙げ、必ずしも市場規模が大きければいいというものではなく、健全な市場構築があってこそと語った。特にキーポイントとしてあげたのは課金。「特に国内ではクレジットカード以外の決済方法、3キャリアの課金がうまく使えるかがキーになると思う」と述べていた。
また山田氏は英語版の「パックマン」を早いタイミングでリリースしたが、思うような成果が上がらなかったという。「『パックマン』で検索してみても、いっぱい『パックマン』が出て、リリースしている我々から見て、どれがウチの『パックマン』なんだろうと思うぐらいあった」と笑い話のように語ったが、不正コピーもある中でどうすればビジネスとして成り立つのかというのを考えている状態だという。
伊藤氏は、Androidが無視できない市場になるとしながら、仮に問題点と呼ばれるものが全て解決したとして「誰が伝えるの?」という部分、エンドユーザーに「こういうことができる」というのを伝えられるかがポイントになると述べた。柴田氏は自社(ハドソン)固有の「世界にも通用するコンテンツ作りを」というところ思いの部分があり、さらにマーケットとしてみたときにも、やはりグローバル展開を視野に入れ、そこに通用するコンテンツ作りが課題と語った。
そしてこれからこの市場に成功するためのポイントとして、すでにこの市場で成果を上げている荒木氏は「ミドルウェア」「ソーシャル」「英語」を挙げた。Androidでもフォーマットが違ったりバージョンが違ったりするところもあるが「ゲームを作る上でそこを考えていたらものすごい労力になってしまうため、そこをミドルウェアでうまく活用することが大事」と語り、続けてソーシャルの部分でもSNSのAPIをうまく活用すること、そして「日本でいいゲームを作っても、ちょっと遅れただけで海外では真似されてしまうため、始めから英語版で作るぐらいのつもり対応したほうが売り上げを出せるのでは」と述べていた。
ここに上げられた問題点などは、前述した「なかなか優秀なゲームコンテンツが流通できる状態にはない」という不安点と似ており、このプロジェクトが活性化したならば、より多くのゲームが登場し、ユーザーにとっても楽しいゲームがより多く遊べるようになるという点で期待したいところだ。
そして「Androidゲームアプリコンテスト」はすでに開始しているので、興味のある方は公式サイトをチェックしておこう。
■アプリやろうぜ!第2弾「アンドロイドやろうぜ!byGMO」
http://android-yarouze.com/
(C) 2010 「アンドロイドやろうぜ!byGMO」プロジェクト All Rights Reserved.
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