2010年秋の「Google TV」サービス提供開始に向けて、Googleはコンテンツパートナー探しに乗り出している。しかし同社は、その目的をうまく達成できずにいると、The Wall Street Journalが報じている。
ウェブ大手のGoogleが5月に発表したこの新サービスは、ユーザーがサードパーティー機器で、ケーブル番組を視聴および検索したり、ウェブを検索したり、オンラインコンテンツを視聴したりできるようにするものである。
初のGoogle TV対応機器は、ソニー、Logitech、Dish Networkなどの企業から近い将来発売される予定である。例えばソニーは、Google TVサービスに対応する機器として、インターネット対応テレビと、Blu-ray Discドライブ搭載セットトップの両方を提供する計画である。
The Wall Street Journalは、本件に詳しい複数の匿名の情報筋の話として、GoogleがABC、CBS、Fox、NBCといった主要なテレビネットワークの関係者らと、Google TVでの各社番組の視聴に向けた話し合いを持ったと報じた。同記事の情報筋らによると、これらの企業は、「Googleが、テレビ会社らの既存の放送事業と競合する可能性を補うだけのビジネスモデルを提供できるかどうかについて懐疑的」であるという。
テレビネットワークらは、Googleにコンテンツを提供すると、一部の視聴者は番組を、テレビ会社にとってより多くの収益が得られるネットワークチャンネルのライブ放送で視聴する代わりに、Google TVで視聴するようになるのではないかと懸念している。
現時点では、Apple TVなど、Google TVが競合する予定のサービスにより、ユーザーは主要ネットワークの人気番組のエピソードを視聴することができる。例えばApple TVでは、視聴者は、個々のエピソードを購入するか、iTunesからの1シーズン分のパスを購入することが必要である。ネットワークらにとっての主な相違点は、Google TVの競合サービスは、ユーザーにインターネット上のサイトへのアクセスを与えないという点であると、The Wall Street Journalは報じている。そのため、ネットワークらは、自社のコンテンツがウェブコンテンツや海賊版クリップの世界に流出することはないと考えることができるが、Google TV対応機器ではそれがあり得る。
Googleにとって、状況はさらに悪化している。The Wall Street Journalによると、「一部のメディア企業は、特定の機器での自社のウェブビデオの再生を遮断するための方策をとるべきかどうかについて議論している」という。ネットワークらは、ウェブコンテンツにアクセスできるようになれば、視聴者は番組を、テレビのライブ放送よりもGoogle TVを介してオンラインで視聴するようになるだろうと懸念している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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