インターネット視聴率調査で有名なネットレイティングスが最近力を入れているのが、ソーシャルメディア上の消費者の声を分析するサービス「BuzzMetrics」だ。2009年7月から日本市場向けにサービスを開始している。
ブログやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)、掲示板サイト、Q&Aサイトなどをクロールし、ある商品に関して消費者がどんな感想を語っているかを分析できる。分析内容としては、好意度をポジティブ、ネガティブなどに分類するポジネガ分析、どのようなトピックが主に語られているかを分類するトピック分析などがある。
米国では1999年から提供しており、大企業向けに多くの導入事例を持つという。カナダや英国、オーストラリア、ニュージーランドなどの英語圏はもちろん、ドイツ、スペイン、イタリアといった欧州各国でも同様の製品をローンチし、地域をまたいだ分析も可能になっている。
米国NielsenでBuzzMetricsのストラテジックアカウントマネージャーを担当しているLindsay Fordham氏は、「NielsenグループはBuzzMetricsに関して世界中に50〜60人のリサーチャーを抱え、大企業を相手に、ブランドや製品が毎日どんな会話にさらされているかをリアルタイムでトラックしています」と語る。
米国の企業が重要視するのは消費者とのエンゲージメントを醸成するサイトで、中心になるのはFacebookやTwitterなどだという。
「Facebookはソーシャルメディアのなかでも最も多くのユニークビジターを集めています。最近では米国で月間2000万人がFacebookを訪れ、何らかのアクションを起こしているというデータがあります」(Lindsay氏)
最近になって最も勢いがあるのがTwitterだ。「消費者が多くのメッセージを発信しているTwitterからは、毎日、いろいろなトレンドの数値を計測できます。ブランドに関する投稿が多く、どんな内容のことが、いつ投稿されたかが計測できれば、ブランドにとって大きなインパクトを持ちます。消費者が商品を購入する際の意思決定に影響を与えている要因が調査できるからです」(Lindsay氏)。
日本の場合、ソーシャルメディアの筆頭はやはりmixiだとネットレイティングス代表取締役社長兼COOの千葉尚志氏は語る。「米国でトップのFacebookは日本でも伸びてはいますが、まだリーチも、実際のアクセスのユーザーオーディエンスも少ないです。ただTwitterはmixiに肉薄する勢いで増えています。我々としては競合優位性の1つとして、TwitterをBuzzMetricsのクロール対象にしています」。
Lindsay氏も日本で今後さらにTwitterのマーケティング活用が加速すると見ている。「Twitterは消費者と1対1のエンゲージメントを結ぶ機会が得られますし、その方法も限定されておらず、いろいろなやり方があります。Twitter上の個人と個人の繋がりがそうであるように、消費者と企業、ブランド、メディアのエンゲージメントにも好影響を与えるでしょう。米国だけではなく、日本企業にとってもTwitter活用は大きなチャンスです」。
事実、日本のクライアントからはここ半年でTwitter上の消費者の声を分析したいというニーズが増えているという。ただ、日本にはソーシャルメディア上の消費者の声を分析するサービスが多数あり、そのなかでBuzzMetricsは後発となる。BuzzMetricsの強みとは何か。千葉氏は3点を挙げた。
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