イナゴは7月27日、自社で開発した自動会話コミュニケーションシステム「NetPeople」を、iPhoneアプリ用にプラットフォーム化し、自動会話型のオリジナルiPhoneアプリを制作配信できる「会話プラットフォームシステム」を提供すると発表した。
イナゴは、NetPeopleのエンジンをiPhone向けにカスタマイズし、6月に自動会話型iPhoneアプリ「花咲けトーク! Lite」を無償提供している。7月27日には第2弾となる「龍馬道場」を115円(8月9日まで。通常価格は230円)で提供。いずれもフリーテキストを入力したり、プルダウンで選択肢を選んだりして、ユーザーとキャラクターがコミュニケーションを取れるアプリとなっている。
イナゴでは、NetPeopleのエンジンとキャラクター3D描画エンジンを、iPhoneアプリ専用にプラットフォーム化し、会話プラットフォームシステムとして提供。会話のシナリオとキャラクターのグラフィックスを入れ替えるだけで、さまざまな用途のiPhone向けオリジナル自動会話型アプリケーションを制作し、配信できる。
会話の処理はサーバ側で実行するため、ユーザーがどういった会話を行ったかというログの分析も可能だ。イナゴ代表取締役社長のRon DiCarlantonio氏は「キャラクターとのコミュニケーションを通じて、企業のキャンペーンやカスタマーサービスなどに使っていける」と説明する。
イナゴは、PC向け育成シミュレーションゲーム「AQUAZONE」やドリームキャスト用ソフト「シーマン」を開発していたオープンブック9003(AQUAZONE開発当時の社名は9003.inc)のバイスプレジデントだったDiCarlantonio氏が中心となり設立したベンチャー。
同社の開発するNetPeopleは、これまでに大手銀行のカスタマーサービスをはじめ、カーナビ、ロボットなどの分野で導入実績があるという。「会話の絞り込み」が容易であることが最大の特長だという。
たとえばオンラインバンクのカスタマーサービスに同社のエンジンが導入されている場合、ユーザーが「パスワードを忘れた」と入力すれば、「(暗証番号なのか、オンラインバンキング用口座のパスワードなのか)何のパスワードか?」「(口座のパスワードであれば)法人口座か個人口座か?」といったように、最適な回答を出せるまで質問の内容を絞り込むことができる。
イナゴでは今後、オリジナルキャラクターを持つ企業などに対してこのシステムを提供するとともに、Android端末への展開も進めるとしている。
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