AppleがiPhone Developer Agreementに加えた変更を確認した後、Google傘下のAdMobが下した結論は、他の多くの企業と同じだった。つまり、これは大変なことになるというものだ。
Appleは今週、「iPhone」アプリケーションに対するDeveloper Agreementの条項を変更し、開発者がアプリケーションの中で、「Apple以外の携帯端末やモバイルOS、開発環境の開発者または配布元が所有もしくは提携する広告サービスプロバイダー」と分析データを共有する広告を使用することを禁止した。携帯端末およびモバイルOSの開発または配信元が所有または提携する最も著名なモバイル広告サービスプロバイダであるAdMobは、当然おもしろくない。
AdMobの最高経営責任者(CEO)であるOmar Hamoui氏は米国時間6月9日付けのブログ投稿で、「はっきり言っておこう。今回の変更は、ユーザーや開発者にとって最良とはいえない。技術および革新のこれまでの歴史から、競争が最良の結果をもたらすことは明らかである。競争に対して人為的な防壁を設けることは、ユーザーや開発者を苦しめ、長期的には技術の進歩を妨げる」と記している。
Appleの新しいポリシーは、基本的にAdMobに大きな打撃を与えることになるだろう。分析データは、インターネット広告の命だからだ。AppleのCEOであるSteve Jobs氏は先週、D: All Things Digitalカンファレンスで、Flurryという分析企業が、モバイルアプリケーションからユーザーの許可なく収集したAppleの次世代製品に関するデータを共有したことを指摘し、分析データの共有を禁止するポリシーを正当化した。
しかし、今回の新しいポリシーは、モバイル分野の競合他社が所有する広告企業のみを対象にしている。それに該当するのは実質的にGoogleだけである。Googleは2009年、Appleを退けてAdMob買収にこぎつけたが、7億5000万ドルをかけて買収した同社が今、その最も有望な市場から締め出されようとしている。
Hamoui氏は、「Appleは7日、新しい開発者向け条項を提案した。その文面どおりに施行されれば、アプリケーション開発者はiPhone上で、AdMobおよびGoogleの広告ソリューションを使用することが禁じられることになる」と記している。「これらの広告関連条項は、(Googleなどの)競合的なモバイル技術を持つ企業と、モバイル広告の提供が第1の目的ではない企業をターゲットとしたものである」(Hamoui氏)
Hamoui氏は、「われわれはAppleに対し、これらの条項の影響に関するわれわれの懸念を伝えるつもりである」と記した。その話し合いは、間違いなく友好的なものにはならないだろう。
午前11時21分更新情報:Google関係者は、Hamoui氏の投稿内容以上のコメントを避けた。Appleの関係者らに対しては、Hamoui氏の投稿に対するコメントとAgreementの条項に関する説明を求めて電話をかけたが、直ちに回答を得ることはできなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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