IDC Japanは5月12日、ビジネスコンサルティングやビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)サービスから構成される国内ビジネスサービス市場規模予測を発表した。同社は、2009年および2010年はリーマンショック後の景気低迷が続いていることから、これらの市場規模予測を2009年11月に発表した前回の予測から引き下げた。
2009年の国内ビジネスコンサルティング市場規模は、2691億円となった。2008年の同市場は前年比成長率プラス4.7%だったが、2009年の前年比成長率はマイナス8.6%に低下した。これについてIDCでは、景気低迷が続いたことによる新規事業戦略策定や投資に対する意欲の縮小の結果だとしている。
IDCでは、2010年も引き続き同市場の前年比成長率はマイナスとなるが、2011年以降経済が回復するにつれ、同市場の成長率も上昇し始めると予測している。特に国際会計基準(IFRS)の導入に向けたコンサルティングサービスの利用に期待が高まっており、2011年以降のビジネスコンサルティング市場の拡大要因となるとIDCではみている。
一方、業務実行や支援を提供するBPOサービスの2009年国内市場は、前年比成長率プラス1.2%の9426億円となった。市場成長率は2008年の前年比成長率から低下したものの、プラス成長を維持した。企業が従業員研修の費用を削減しているため、人事業務アウトソーシング市場の成長率が著しく低下しているものの、コールセンターなどのカスタマーケア業務アウトソーシングや、財務、経理業務アウトソーシング、購買、調達業務アウトソーシングでは、比較的堅調な伸びとなったとしている。
IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの伊藤未明氏は、「回復する需要をとらえるためにサービス事業者は、IFRS適用にむけた需要の取り込みや成果報酬型のサービス体系の強化など、新たなサービス提供体制を整備していくことが重要だ」とコメントしている。
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