カリフォルニア州マウンテンビュー発--Microsoftの研究部門Microsoft Researchのシリコンバレーオフィスで米国時間5月6日に開催されたイベント「TechFair」において、同部門の研究者であるNeel Joshi氏は、短い動画や高速連写した写真画像を使用して、たいへん見事な画像やパノラマ写真を作成するという素晴らしい手法を披露した。
一例としてJoshi氏は、霞がかかったレーニア山の動画から、大気の動きを追跡して霞を取り除き、肉眼で見るよりもはるかに鮮明な画像を作り出した。また別の例では、Microsoft ResearchがあるBuilding 99という建物を撮影した手ぶれの激しい動画を、驚くほど鮮明なパノラマ写真に変換する方法を示してみせた。
この30秒間の動画は、1秒30フレームで約900枚の静止画像を含んでいる。ただし、このうちパノラマ写真の作成に使われたのはわずか約80枚だ。
「使用するのはデータの約1割に過ぎないが、おそらくデータの中でも最良の1割だ」とJoshi氏は述べた。
上述した2つの例では、コンピュータを使用して動きのある部分を取り除き、静止した部分、すなわち山と建物をそのまま残した。もう1つの例では逆の手法を用い、滝壺に飛び込む人物を撮影した動画から非常にきれいなストップモーションを作成した。飛び込む人の動きを途中の数カ所で表示すると同時に、動画に含まれている背景の同じ静止画像から作成した鮮明な画像を合成して背景を安定させている。
こうした技術を可能としているのは、動画から切り出した画像はすべての部分がぼやけているわけではないという事実だ。各フレームを見ると、他の部分より鮮明なところが存在する場合もある。そういった鮮明な部分を組み合わせることにより、画質をきわめて劇的に改善できる。
この技術を実際に体感するには、ここに埋め込んだ2つの動画を見て、作成された静止画像を確認してほしい。
霞のかかったレーニア山の景色。
そこから作成された静止画像。
Building 99を撮影した動画。
それを元に作成されたパノラマ写真。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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