4月17日に開催された日経BP主催のAndroid開発者向けイベント「Android Developers Forum in Tokyo」。パネルディスカッションには、日本Androidの会 会長の丸山不二夫氏、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授の古川享氏、ユビキタスエンターテインメント 代表取締役社長の清水亮氏、NTTドコモ スマートフォン事業推進室 アプリケーション企画 担当部長の山下哲也氏の4名が登壇。Androidをはじめとしたスマートフォンビジネスへの期待や課題が語られた。
Xperiaも発売され、いよいよ国内でも注目を集めるAndroid。司会を務めた日経BP ITpro 副編集長の菊池隆裕氏はまず、AndroidアプリケーションとiPhoneアプリケーションの差は何であるかとユビキタスエンターテインメントの清水氏にたずねた。
清水氏はこれに対し、「App Storeはぎりぎり商売にできなくもないが、Androidはまだ“商い”になっていない」と語る。Android端末は販売こそ好調なものの、まだiPhoneのApp Storeのように、アプリケーションに対してお金を払う文化が形成されていないという。
そして、AndroidやiPad、iPhoneといった全画面コンピュータは、OSや会社こそ違うが、ユーザー体験としては同じ方向を目指していると見解を語る。そしてこのようなデバイス上で重要になるのは、単なる“コンテンツ”ではなく、生活の“体験”そのものをいかに変えるかということであり、ビジネスとしての成功はそのあとについてくるものだとした。
古川氏もこれに同意した上で、スマートフォンの存在が「(カメラ、テレビといったように)これまで個別に存在していたツールの間を埋めてくれるものができたということと、今まで(ほかのツールが)カバーしていなかった領域を埋めてより豊かになるという」と2つの動きがあると語る。また、Androidの開発者コミュニティについては、開発者同士がお互いを評価するパートナーシップができあがっていると評価し、「こうなって初めてシナジーが生まれ、共通のプラットフォームで新しいモノが生まれてくる」と期待を寄せた。
すでに7500人の会員を誇るAndroid開発者コミュニティ「日本Androidの会」の会長である丸山氏も、コミュニティの状況について「開発者の背景は違うが、新しいデバイスに魅力を感じている。ビジネスだけでなく、開発ができ、仲間ができて楽しいというところが非常に大きな力になっている。携帯電話にしろ、スマートフォンにしろ、コミュニケーションに対する熱心さが(会員の活性化を)ドライブしている」と語る。
同イベントはUstreamでも中継を実施し、Twitter経由での質問を受け付けていた。ここで、Twitterを通して「ドコモはXperiaでFeliCa対応をするのか」という質問が投げられた。
NTTドコモの山下氏は、パネルディスカッションの開始前の講演で、スマートフォンのFeliCa対応や携帯電話メール対応について示唆していた。これについて「方向性としては、今までの携帯電話でインフラになっているものは開発されるべきものとして間違いないが、中身と時期は正式にお話できる状態でない」とコメント。
その一方で、今ある携帯電話の機能をすべて内包するのかということについては「必要とされているものは入れるべき。しかし変わりうる技術があるので、取捨選択はある」とした。
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