The Wall Street Journalによると、Hewlett-Packard(HP)は、ロシア政府にコンピュータを販売する契約を獲得するために賄賂を支払ったとして、ドイツとロシアの当局による捜査を受けているという。
The Wall Street Journalは、「本件に詳しい複数の人物」からの情報として、HPがドイツの子会社を介して、ロシアの検事総長事務所にセキュリティの高い通信を提供する高度なコンピュータシステムを販売する機会を得るために、1090万ドルを支払ったかどうかをドイツの検察局が捜査していると報じている。
モスクワにあるHPのオフィスに現地時間4月14日、ドイツの検察局に代わって本件を調査するために、ロシアの捜査員らが立ち入ったと報じられている。具体的には、HPが、英国、オーストリア、スイス、英領バージン諸島、ベリーズ、ニュージーランド、ラトビア、リトアニア、米国など、さまざまな国に存在する架空企業を、ロシアの検察庁に支払われた資金の捻出に利用した証拠を探していたという。
ドイツ当局は、HPに対する背任罪、脱税、マネーロンダリングの容疑についても調査中だが、こちらは10人の個人に対象が絞られている。
HPとロシア検事総長事務所の間の契約が最初に締結されたのは2003年8月1日だが、これに関与した人物を追跡するのは困難だったようだ。契約書にあったロシア高官の署名は判読できず、HP側の署名者の氏名は公開されていないとThe Wall Street Journalは報じている。
このニュースは漏れ聞こえてきたばかりだが、HPは、同社に対して10人の容疑者に対する捜索令状が発行された2009年12月からこの捜査について知っていた。HPはThe Wall Street Journalに対し、同社は「検察庁による捜査に協力するために」弁護士を雇用したと述べた。
HPの広報担当者は米CNETへの声明で「このたび指摘されている調査中の行為は、約7年前に起きたことであり、関わった人物の大半がもうHPに在籍していない」と述べている。「ドイツとロシア当局の捜査には全面的に協力しており、これとともに社内調査を続ける意向だ」(同声明)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス