カナダの小規模なワイヤレス企業が、業界の大手企業を多数、裁判所に引っ張り出そうとしている。
オタワを拠点としてワイヤレス製品の特許を扱うWi-LANが業界の大手各社を、Bluetooth技術の特許侵害で訴えている。Acer、Apple、Dell、Hewlett-Packard(HP)、Lenovo、Motorola、ソニー、東芝など各社が、Bluetoothを搭載したPCや携帯電話を販売することでWi-LANの保有する米国特許の1つを侵害したと、同社は主張している。
現地時間4月8日に明らかにされたこの訴訟でWi-LANは、同社が1996年に取得した特許(米国特許番号5515369)が侵害されたと主張している。問題の特許は、「周波数ホッピング方式の通信ネットワークにおける、周波数の共有と周波数パンチアウトの方法」に関するものだ。
わかりやすく言えば、Bluetoothなどのワイヤレスシステムが、Wi-Fiなど、免許不要の周波数帯で作動するほかのワイヤレスシステムと干渉するのを防ぐ技術に関する特許だと、Wi-LANで投資家向けの広報とコミュニケーションを担当するディレクターのTyler Burns氏は述べている。
登録された書類からは、この特許がMetricomに与えられたものであることも分かる。Metricomは最初期のワイヤレスインターネットサービスの1つ「Ricochet」を立ち上げたことで有名になったが、10年ほど前に破綻した。しかし、MetricomとWi-LANのつながりを聞かれたBurns氏は、コメントを拒否した。
特許に関わるこのような法的戦略は、Wi-LANにとって初めてではない。同社には、特許侵害をめぐってテクノロジ企業を法廷に引き出してきた長い経歴がある。
2002年にWi-LANは、同社の特許の1つを侵害するワイヤレスネットワーキング技術を利用しているとして、Redline Communicationsを訴えた。この訴訟で2004年に和解するとすぐ、同社はネットワーキング大手のCisco Systemsを同様の主張で訴えた。
2007年には、22社を相手に別の訴訟を起こした。このときの相手企業の多くは、最新の訴訟でも名前が挙がっていた。2007年の訴訟でのWi-LANの主張は、ノートPCとルータにおけるWi-FiおよびDSLの技術に関して、Wi-LANの重要な特許が侵害されているというものだった。さらに2008年6月には、モバイル機器メーカーを標的にして別の訴訟を起こしている。Burns氏によるとこれら2つの訴訟では、いずれも2011年1月に裁判が行われる予定だという。
Wi-LANは、特許が認められたか申請中の800以上のデバイスを扱っている。一部は同社が設計、製造したものだが、社外からライセンスを受けているものもある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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