愛知県豊田市、トヨタ自動車、ドリームインキュベータは4月8日、中部電力をはじめとする民間企業13社と共同で企画した「愛知県豊田市における『家庭・コミュニティ型』低炭素都市構築実証プロジェクト」の実証実験を開始したと発表した。
この取り組みは、同プロジェクトが経済産業省の「次世代エネルギー・社会システム実証地域」として選定されたことを受けたもの。豊田市における街づくりの一環として、地方都市型の低炭素社会システムを構築する。将来は海外の都市へ横展開することを視野に入れている。
同プロジェクトは「家庭内でのエネルギー有効活用」「コミュニティのエネルギー有効活用」「低炭素交通システムの構築」「生活者行動支援によるライフスタイルの変革・インセンティブ効果の検証」「グローバル展開に向けた戦略検討」の5項目に取り組む。
まずは、近年増加傾向にある家庭からのCO2排出量の削減に向けた取り組みから着手する。太陽光電池、燃料電池などに加え、家庭用蓄電池、エコキュート、次世代自動車などを大規模に導入するほか、ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)を5年間で住宅70戸、次世代自動車75台に導入する。
また、交通システムや生活者のライフスタイルの変革といった領域への取り組みも進める。例えば基幹路線バスに燃料電池車を試験的に導入。地域バスでも電気自動車やプラグインハイブリッド車を利用することを検討する。公共施設やコンビニなどに充電インフラを5年間で16カ所、26基設置。充電スタンドやカーシェアリング向けスケジューリングシステムの構築により、次世代自動車の共同利用を検討する。
これらの取り組みにより、主要な注力分野である家庭、交通セクターにおいて、それぞれ20%、40%のCO2排出量削減を可能とする、低炭素社会システムの構築を目指す。
今回のプロジェクトに参加するのは、豊田市、KDDI、サークルKサンクス、シャープ、中部電力、デンソー、東芝、東邦ガス、豊田自動織機、トヨタ自動車、トヨタホーム、ドリームインキュベータ、富士通、三菱重工業。プロジェクトの事業規模は、2010年度からの5年間で約113億円を予定しており、経済産業省などの関連予算を活用する方針だ。
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