The Wall Street Journalの記事によると、CBS傘下のSimon & SchusterとNews Corp.傘下のHarperCollins Publishersは、自社電子書籍の価格を独自に決定する契約をAmazon.comと交わしたという(米CNETは、CBSの1部門であるCBS Interactiveが発行している)。また、BusinessWeekの記事に引用されたソニーの書簡によると、Macmillan、Hachette Book Group、およびPenguin Groupは1日から、自社書籍の価格を独自に設定するという。
ほとんどの電子書籍の価格は12.99〜14.99ドル、一部の新刊は9.99ドルとなり、Amazonの標準的な価格である9.99ドルよりも高くなる見込みだと報じられている。
今回の価格設定モデルは、2010年に入ってからのMacmillanの発表を反映している模様だ。Macmillanは、電子書籍の価格設定をめぐり、Amazonと公然と論争を繰り広げていた経緯がある。Amazonは、電子書籍市場の90%を占有している。しかし、Credit Suisseによると、Amazonの市場シェアは、2010年には72%、2015年には35%に減少することが予測されている。
書籍出版社らはAmazonに対し、同社ウェブサイト上の電子書籍の販売価格を引き上げるよう求めていたが、Amazonは、9.99ドルを超える価格は高すぎるとかたくなに主張していた。その後、同社ウェブサイトから、Macmillanの人気の高い多くの書籍が消えたことがあった後、Amazonは譲歩するようになった。
HarperCollins Publishersの最高経営責任者(CEO)であるBrian Murray氏はThe Wall Street Journalに対し、「われわれのデジタルの未来は今日、2カ月前よりもさらに確かなものとなった」と述べ、今回の契約に取り付けるまでに、1カ月間の話し合いがあったと付け加えた。
Amazonの関係者らにコメントを求めたが、直ちに回答を得ることはできなかった。
わずか数日後には、Appleがタッチスクリーン搭載のタブレットコンピュータ「iPad」の出荷を開始する予定になっている。iPadによりユーザーは、電子書籍を読む以外にも、ウェブを閲覧したり、ゲームをしたり、ビデオを鑑賞したりすることができる。Appleは、iPad向けの電子書籍に対する同様の価格体系の契約について、出版社らとの間で秘密裏に交渉を進めているとうわさされており、それが、自社の電子書籍の価格設定に対する出版社の影響力を強くする原因になるかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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