米国時間4月3日の「iPad」発売と同時にクラウドベースの音楽サービスが公開されることを期待している人は、がっかりすることになりそうだ。
3月第5週になって音楽業界の情報筋が米CNET Newsに伝えたところによると、Appleがレーベル各社の責任者に対し、ストリーミング音楽サービスを2010年第3四半期より前に用意できる可能性は低いと通知してきたという。
Appleが、2009年12月に買収した音楽サイト「Lala」のストリーミングに関する専門知識を利用し、クラウドベースの音楽サービスを開始するかもしれないとして、その時期を推測してきた「iTunes」ファンにとって、これは失望を招くニュースといえるだろう。
こうしたサービスが、Appleが1月にiPadを発表した際に同時に披露されるのではと期待する声もあったが、これは実現しなかった。同月、Apple幹部は、ユーザーがAppleのサーバに音楽を保存し、ウェブ対応デバイスで保存された曲にアクセスすることが可能になるよう、主要レコード会社に打診していたという。その時点で、音楽業界の関係者は、Appleの新サービスが2010年の早い時期に登場するかもしれないと推測していた。
Appleのストリーミング配信サービス開始が期待より遅れている点に加え、ここまでのいきさつは、文化に変化をもたらすAppleのデバイスの多くにおいてこれまで常に重要な役割を果たしてきた音楽が、iPadの登場で脇へ追いやられることを意味する。
iPad発売を前に話題となっているのは、ハリウッド映画やビデオゲーム、書籍、新聞など、ビジュアル的なものばかりだ。iPadはAppleにとって、持ち運べる大きさながら、読みやすい表示と簡易な劇場体験を実現できるだけのサイズを持つデバイスを生み出すチャンスといえる。映画や出版業界の関係者は、iPadが一般消費者に受け入れられるよう願っており、少なくとも大手メディアを、困難が山積するデジタル化への移行期間から救い出す助けになるほどの支持を得られることを期待している。この移行については、NBC Universalの最高経営責任者(CEO)であるJeff Zucker氏が「アナログのドルをデジタルのペニーと交換する」と表現したことがよく知られている。
なおAppleは、この件についてコメントを避けた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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