NECは2月16日、基地局の送信電力などを自動制御する技術「SON」(Self Organizing Network)を3次元で検証するシミュレータを世界で初めて開発したと発表した。
SONはネットワークを自律的に最適化する技術。運用中の基地局や端末から、無線信号の受信レベルやデータ転送速度といったデータを適宜収集し、分析することで、基地局の送信電力などの設定を自律的に変更する。2010年度中にNTTドコモがサービスを開始する予定の高速移動通信規格「LTE(Long Term Evolution)」で導入される技術だ。
今回開発したシミュレータでは、都市の地形やビルなどによる電波の反射や回り込みなどを考慮しながら、電波伝搬特性を推定できる。特に、ビル高層階で電波が入りにくい場所などを正確に把握できるという。また、実際の都市交通環境におけるハンドオーバー性能や、ユーザー数の密集度合いに応じた基地局の負荷状況も把握できるとのことだ。
横浜市を例にして25基地局を仮想的に設置し、シミュレーションしたところ、基地局間のハンドオーバーに必要な情報が自動的に最適化され、通信が遮断されないことを確認したという。また、時間帯に応じて基地局を自律的にスリープさせることで、通信品質を劣化させることなく電力消費量を削減できることも検証している。
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