英国政府はそろそろ「Internet Explorer 6(IE6)」の使用をやめてアップグレードするべきだとする嘆願書が、英国時間2月1日に提出された。2001年に導入されたIE6には問題もあるからだという。
ウェブサイトの設計や開発を手がけるInigoの管理ディレクターを務めるDan Frydman氏が提出した嘆願書には、「われわれ、以下に署名した者は、首相がInternet Explorer 6のアップグレードを政府機関に推奨することを嘆願する」と記されている。太平洋標準時1日午後の時点で、署名者は少し増えている。英国の国民または居住者のみが署名することができる。
「ドイツおよびフランス政府はすでに、Internet Explorer 6からのアップグレードを推奨し始めている。IE6には、セキュリティ上の問題がいくつか存在し、ユーザーのシステムに脆弱性を与える。ドイツおよびフランス政府は、アップグレードによりユーザーのオンラインでの安全性が高まることを国民に通達している」と嘆願書には記されている。「われわれも両国に倣うべきである。英国政府が実施すれば、欧州の多くもこれに続くだろう。それが、米国に対しても同様の動きを促す、ある程度の圧力となるだろう」(嘆願書)
Frydman氏はインタビューにおいて、IE6のサポートにおける最大の問題点は、それによって余分な作業が生じることだと述べた。例えば、IE7以降のバージョンや他のブラウザにサイトを対応させようと機能を追加した場合に、これがIE6のサポートに影響しないことを確認する。といった作業である。またIE6は、JavaScriptの動作性能が求められるAJAXインターフェースの利用には向いていない。
Microsoft自身を筆頭に、多くの技術企業がIE6からのアップグレードを推奨している。IE6が登場したのは、Microsoftが最初のブラウザ戦争を圧倒的に制し、「Windows XP」を発売する直前だった2001年のことである。それ以来IE6の後には、「IE7」と「IE8」が発表され、現在は「IE9」が開発中である。一方「Firefox」は、ウェブにおいて4分の1近くのシェアを占めるまでに成長し、Appleの「Safari」とGoogleの「Chrome」は、あわせて10%近くのシェアを占めている。
IE6をターゲットとしてある程度の成功を収めたサイバー攻撃を受け、中国から撤退するかもしれないという事態にまで追い込まれたGoogleは、最新のウェブプログラミング基盤を強く推進している。加えて同社は、多大な作業を必要とするウェブアプリケーションも抱えており、「Google Docs」におけるIE6のサポートを徐々に廃止する計画を先週発表した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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