報道によれば、GoogleはYelpを5億ドルで買収する計画について協議しているという。確かに、新興企業にとって、買収というのは素晴らしい戦略である。しかしそれにしても、将来的に脅威となる可能性を秘めた全ての企業がGoogle(そして、ほかのあらゆる大手ウェブ企業)に買収されなければならないのだろうか。
GoogleとYelpの話し合いについてはTechCrunchが最初に報じ、New York Timesもそれに追随した。
このシナリオを見てみよう。Googleは、地域ビジネスを対象とする大規模なレビューサイトYelpを買収する。Googleは、地域ビジネスのリスティングとレビューにアクセスできるようになり、それら全ての情報を「Google Maps」やQRコードと連携させ、地域ビジネスについてのキーワード広告を準備する。AdMobの買収を通してモバイル分野の強化を図る計画のGoogleは、ユーザーの携帯電話(もちろん「Android」を搭載したデバイス)に向けてクーポンを送信するだろう。
この流れをご理解頂けただろうか。Googleは、皆さんの近所にある地域ビジネスのフレンドリーな門番になるのだ。Googleは既に、大企業の門番になっている。Googleは、ローカルコンテンツを集めたボーグ(訳注:「Star Trek」のキャラクター)のような存在になるのだ。抵抗しても無駄だ。革新もまた無駄である。近頃、脅威となるものは何でも買収されるからだ。
これは少し気味の悪いことだ。
ペンシルバニア大学ウォートンスクールの教授であるEric Clemons氏が、それについて上手くまとめている。
「高い固定価格を持つ企業は全てGoogleからの脅威にさらされる可能性がある。Googleにとって、それは単なる広告の話ではない。電子的配信の支配なのだ」(Clemons氏)
しかし、Yelpを非難することはできない。Yelpは、あらゆる場所の地域ビジネスを掲載している。Timesの報道によれば、Yelpの売上高は3000万ドルで、Yelpにかかわっているベンチャーキャピタルは素晴らしい身売りについて不満を述べる考えはないという。しかし、今回、両社の話し合いがリークされたことで、運がよければ、Yelpに買収を提案しようという企業がほかにも出てくるだろう。Google以外の企業が地域ビジネス分野で力を得るのも悪くない。それは、MicrosoftかYahoo、AOL、それともAppleになるのだろうか。
皆さんもお分かりのように、筆者は既に諦めている。Yelpの買収でライバルとなる可能性のある企業は、全てGoogleのような、どでかいボーグのような企業にすぎないのだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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