ウェブ動画サービスのJoost、ついに資産売却

文:Caroline McCarthy(CNET News) 翻訳校正:緒方亮、高森郁哉2009年11月25日 11時19分

 米国時間11月24日に発表された声明により、「ホワイトレーベル」のオンライン動画サービスであるJoostの「一部資産」が、「世界のオーディエンスとコンテンツを結ぶ最大の独立系ネットワーク」を自称するAdconion Mediaに買収されたことが明らかになった。Adconionの最高経営責任者(CEO)であるTyler Moebius氏の声明によると、この買収により「広告主、コンテンツ保有者、ウェブサイトパブリッシャーらに対し、エンドツーエンドのグローバルな動画プラットフォーム、多チャンネルにまたがる動画、ディスプレイ広告配信ソリューションを提供できるようになる」という。買収の金銭的条件は明らかにされなかった。

 その秘密主義と喧伝により、一時期はジェームズ・ボンド風に「The Venice Project」として話題になったJoostだが、異例のあっけない幕切れだった。かつてはYouTubeや「あなたのケーブル会社」として知られる卑劣な冷戦時代の悪党を倒すものとされていた。Joostはちぐはぐな新興企業で、非合法のルーツ(Joostの創設者であるJanus Friis氏とNiklas Zennstrom氏はかつてファイル共有ソフト「Kazaa」を作った)を持ちながら、両氏がSkypeを創設しeBayに売却したことで表通りの信頼も得ていた。Joostにはまた、(CNETを所有する)CBSを含む大手が支援していた。

 では、何が問題になったのか?

 Joostのダウンロード可能なPtoPアプリケーションに大きな問題があった。このアプリが公開されたころにはウェブベースの動画が進歩しており、必要とされたダウンロードが、技術的な優位ではなく、参入の障壁になっていた。有名なコンテンツパートナーの一部は、Joostとの協力に乗り気ではなかったようで、視聴者が本当に求めていた新しい番組ではなく、再放送や難解な番組を提供するところもあった。

 とはいえ、本当にJoostの運命を決めたのは、当初は失敗だと思われていた、あるサービスの存在だったのかもしれない。NBC UniversalとNews Corp.がYouTubeに対抗して、猛威を振るう海賊行為に対処するオンライン動画サイトを作る計画を発表したとき、軽蔑を込めて「Clown Co.」(道化一座)と呼ばれていた。それがどうなったのかは誰もが知るところだ。オープンした「Hulu」は非常に好評で、動画ライブラリは拡大を続けている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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