米国時間11月17日の米上院公聴会では、「scam(ペテン)」や「fraud(詐欺)」「arrest(逮捕)」といった言葉が飛び交った。この公聴会の焦点は、物議を醸しているマーケティング企業についてで、消費者をだまして月額料金を支払わせ、オンライン会員特典プログラムに参加させたとされている。
今回の公聴会を招集した米上院通商科学運輸委員会の委員によれば、VertrueとWebloyalty、Affinionなどのマーケティング業者はオンラインショッピング利用者を「だます」ことによって、14億ドル以上を稼いだという。しかし、議員たちの最も辛らつな批判は、総額7億9200万ドルという大金を受け取って、自らの顧客のクレジットカード情報をマーケティング業者と共有したウェブ小売業者に向けられた。
上院の調査官は、6カ月間にわたる調査を立ち上げ、クレジットカードの請求書に身に覚えのない請求があることに気づいた人々からの苦情を調べ上げた。オンラインショッピング利用者は、知らない間に何らかのウェブ会員特典プログラムに登録され、彼らがこの問題に気づいて抗議するまで料金を請求された、と苦情を訴えてきた。中には、何年間も料金を支払った人もいる。
政府によると、今回の調査によって、WebloyaltyとAffinion、Vertrueは消費者を「だまして」、「Orbitz」や「Priceline.com」「Buy.com」「1-800 Flowers」「Continental Airlines」「Fandango」「Classmates.com」といったサイトで彼らが購入手続きを完了する直前に電子メールアドレスを入力させていることが分かったという。購入先の小売業者の広告に見えると多くの消費者が述べているウェブ広告の1つは、電子メールアドレスを入力するとキャッシュバックやクーポンを提供すると消費者に対して謳っている。
上院の報告書(PDFファイル)によると、不満を訴えている人の多くは、クレジットカード情報の提供を求められなかったので、この広告に不安は抱かなかったと述べているという。しかし、この広告の小さな文字で書かれた部分には、買い物客は電子メールアドレスを入力することによって、会員特典プログラムへの参加に同意し、購入先ストアがマーケティング業者に対して買い物客のクレジットカードに月額9〜12ドルを請求する権限を与えることを許可する通知が隠されている。
政府の調査結果の提示方法から判断すると、こうした会員特典プログラムは、消費者の多くが小さな文字で書かれた部分を読み、クレジットカードの明細をチェックするのを面倒くさがること、そして、購入先のストアに対する多くの人の盲目的な信頼を利用して利益を上げているようである。
VertrueとWebloyaltyは、自らの商慣行を変更し、消費者が両社の何らかの会員プログラムに登録するときは、クレジットカードなどの情報の入力を求めることを選択したとの声明を発表した。公聴会で専門家証人や政府関係者が述べたところによると、これらの変更は十分ではないという。
おそらくこれはもっと重要なことだが、専門家証人は、この問題を解決する最善かつ唯一の方法は小売業者が自らの顧客の個人情報を売る行為自体を法律で禁止することだ、とも述べた。
Affinionの関係者にインタビューを求めたが、すぐには回答を得られなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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