サンフランシスコ発--Intelは9月に、超小型の「マイクロサーバ」を発表した。Intelはいま、その設計を誰もが利用できる標準にしたいと考えている。
Intelの高密度コンピューティンググループのゼネラルマネージャーであるJason Waxman氏によると、同社は2009年中にこの設計仕様をサーバの構成要素を標準化する業界団体Server System Infrastructure(SSI)Forumに提案する予定だという。SSIの委員会がこの仕様を可決すれば、SSIのメンバーはロイヤルティフリーでこの設計を使用できるようになる、とWaxman氏は当地で報道陣に対して述べた。
「それは2009年中に実現するだろう」とWaxman氏は述べた。
コンピュータ業界は、プロプライエタリな設計と誰もが利用できる標準設計との間で、常に緊張状態にある。前者の場合、その技術が幅広く採用されている限り、企業は相当な利益を上げることができる。しかし、後者は、より広範な普及を促進する可能性を持っている。Intelの基幹事業、すなわちプロセッサ販売は、新たなサーバ市場区分の開拓ということに関して言えば、後者の誰もが利用できる標準から、より大きな恩恵を受けることができる。
マイクロサーバは、比較的トラフィックの少ないウェブサイト用に多くのサーバを必要としているウェブサイトホスティング企業に向いているだろう、とWaxman氏は考えている。
「大半のウェブサイトホスティングプロバイダーにおいて、サーバがなにをしているかご存じだろうか。実は、なにもしていないのだ。サーバは単にそこでじっとしているだけだ」とWaxman氏は述べた。そのため、アイドル時の電力消費量が少ないというのは、重要な特性となる。しかし、実際にウェブページの閲覧要求が発生したときには、迅速に応答しなければならない。
この手の売り文句は、2000年代前半の第1世代ブレードサーバについての売り文句の繰り返しだ。それでは、商業的には不調のブレードサーバが、遙かに強力かつ高性能な高価格モデルによって置き換えられた当時と比較して、今の状況は何が異なっているのだろうか。今回異なっているのは、Intelのマイクロサーバがシンプルでありながら、かなり良好な性能を備えていることだ、とWaxman氏は述べた。
「ローエンドのスケールアウトされたウェブホスティング分野向けに、低い消費電力枠で十分な能力を提供できるとわれわれは考えている」とWaxman氏は述べた。
マイクロサーバは、1個のクアッドコアプロセッサと4個のメモリバンクで構成されている。Intelは、電力と冷却機能、外部とのネットワーク接続を提供する高さ8.75インチ(約266.7cm)のシャーシに、16台のマイクロサーバを格納したものを披露した。シャーシの下部には、16個の「スレッド(sled)」を備えたベイが配置されている。それぞれのスレッドは、各マイクロサーバに直接接続する3台の2.5インチハードドライブを備えている。
このマイクロサーバは、1.86GHzのクアッドコアプロセッサを使用している。このプロセッサは、Intelの新しい「Nehalem」世代の「Lynnfield」モデルだ。このプロセッサの最大消費電力は45ワットだが、Intelは2010年前半に、全開動作時の消費電力がわずか30ワットのデュアルコア「Clarkdale」モデルをリリースする予定だ。
ただし、それは全開動作時の消費電力だ。Intelがマイクロサーバ全体(メモリとそれをサポートするチップも含む)で目標にしているのは、アイドル時の消費電力を25ワットまで下げることである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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