2010年中堅・中小企業の生産管理システム利用シェアと評価調査報告

ノークリサーチは2010年の国内中堅・中小市場における生産管理システムの利用シェアと評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

<独自開発システムからパッケージへの遷移が続く、柔軟な価格体系とカスタマイズ対応力が今後の差別化要因>
■ 「GLOVIA smart」を筆頭に大手ベンダ製品が幅広い年商帯に訴求しシェアを維持/拡大
■依然として独自開発システム形態が半数弱を占めるが、パッケージ利用への遷移は進む
■導入/サポート価格の評価は順当、今後はASP/SaaSに固執しないコスト軽減施策が重要
■パッケージの機能充足度評価は高いが、カスタマイズ容易性は更なる改善が求められる

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2010年11月1日

2010年中堅・中小企業の生産管理システム利用シェアと評価調査報告

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2010年の国内中堅・中小市場における生産管理システムの利用シェアと評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2010年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の生産管理システムカテゴリに関する速報である。
※グラフにつきましては下記URLをご覧ください
リンク


<独自開発システムからパッケージへの遷移が続く、
柔軟な価格体系とカスタマイズ対応力が今後の差別化要因>
■ 「GLOVIA smart」を筆頭に大手ベンダ製品が幅広い年商帯に訴求しシェアを維持/拡大
■依然として独自開発システム形態が半数弱を占めるが、パッケージ利用への遷移は進む
■導入/サポート価格の評価は順当、今後はASP/SaaSに固執しないコスト軽減施策が重要
■パッケージの機能充足度評価は高いが、カスタマイズ容易性は更なる改善が求められる


対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業
対象地域: 日本全国
有効サンプル数: 1400件
調査実施時期: 2010年8月


■「GLOVIA smart」を筆頭に大手ベンダ製品が幅広い年商帯に訴求しシェアを維持/拡大

以下のグラフは年商500億円未満の国内中堅・中小企業全体における導入済の生産管理システム製品/サービスの導入社数シェアを示したものである。2009年に引き続き「GLOVIA-C(GLOVIA smartも含む)」が首位となっている。「GLOVIA-C(GLOVIA smartも含む)」「SCAW生産管理システム」「Explanner/Jシリーズ」といった上位製品は従来から導入件数が多い点に加え、2008年以降の新規導入も獲得できていることがシェアを維持/拡大できた大きな要因と考えられる。他の基幹系業務システムと異なり、生産管理システムでは単体パッケージ利用とERPを構成する生産管理モジュールの利用との間に年商帯による明確な境界線はなく、いずれの形態も各年商帯に比較的幅広く導入されているという特徴がある。


■依然として独自開発システム形態が半数弱を占めるが、パッケージ利用への遷移は進む

以下のグラフは導入済の生産管理システム製品/サービスの利用形態について尋ねた結果である。他の基幹系業務システムと比較すると、独自開発システムの比率がまだ高い状態となっている。独自開発システムからパッケージ利用へと移行が続いている段階であり、ASP/SaaS形態の利用はまだわずかに留まっている。
以下のグラフは導入済の生産管理システム製品/サービスを今後も利用するかどうか?を尋ねた結果である。何らかの形で製品/サービスの変更を検討しているユーザ企業の割合は43.2%と半数弱に達している。この結果を踏まえると、今後も製品/サービスのシェア変動が起きる可能性は十分あると考えられる。
以下のグラフは今後新たに生産管理システム製品/サービスを導入する際にどういった形態を採用するか?を尋ねた結果である。新規導入予定のユーザ企業数が少ない点に注意が必要だが、導入済と比べると独自開発システムが減少する一方でパッケージ利用が増えている。引き続き、独自開発システムからパッケージ利用への遷移が続くと予想される。


■導入/サポート価格の評価は順当、今後はASP/SaaSに固執しないコスト軽減施策が重要

本調査では
「導入/サポートの価格は妥当か」
「機能が足りているか」
「動作が軽快かどうか」
「自社の要件に合致しているか」
「初めてのユーザもすぐに操作を習得できるか」
「慣れたユーザにとって操作が煩わしくないか」
「他システムとの連携手段が整っているか」
「不具合や誤動作はないか」
「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」
といった数多くの項目について五段階評価で製品/サービス別にユーザ企業による評価を行っている。
以下グラフはそのうちの「導入/サポートの価格は妥当か」についての主要な生産管理システム製品/サービスの評価結果を示したものである。大半の製品が独自開発システムより高い評価となっており、ユーザ企業はパッケージ利用によるコスト面でのメリットを享受できている状態といえる。コスト面でのメリットを享受する手段としてはASP/SaaS形態の活用も考えられるが、現在は独自開発システムからパッケージ利用へのシフトが続いている段階であり、先のグラフに挙げたようにユーザ企業におけるASP/SaaS形態の利用意向は低い。あらかじめ用意された生産管理システムをサービスとして提供するという発想だけでなく、個別にカスタマイズしたパッケージのインフラ面での管理/運用を請け負うサービス(従来のアウトソーシングやIaaSに近いもの)や、パッケージ形態でありながら月額利用料金制を採用して初期コスト負担を軽減するなどといった様々な工夫を検討することが重要である。


■パッケージの機能充足度評価は高いが、カスタマイズ容易性は更なる改善が求められる

以下のグラフは主要な生産管理システム製品/サービスにおける「機能が足りているか」と「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」の二点についての評価結果を示したものである。「機能の充足度」については大半の製品が独自開発システムの評価を上回っており、ゼロから独自に開発をするよりもパッケージを利用した方がユーザ企業の求める機能を網羅できていると考えられる。だが、独自開発システムが占める比率も高いため、独自開発システムからパッケージへの移行に際してはパッケージに対するカスタマイズも少なからず発生する可能性が高い。そうした状況を踏まえると、「カスタマイズ容易性」も重要な評価ポイントとなってくる。この点は他の項目と比べて評価数値が全般的に低めであり、パッケージにおける一層の改善が求められる部分でもある。そうした中では「GLOVIA-C(GLOVIA smartも含む)」「TENSUITE for Fabrication」「Explanner/Jシリーズ」といった実績を長く積んだ製品が比較的評価が高く、パッケージのカスタマイズ対応ではノウハウの蓄積が重要な要素であることがうかがえる。


- レポート発刊のご案内-

『2010年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート』
「全17カテゴリに及ぶITアプリケーションのシェアと評価を網羅した必携の一冊」


価格: ¥95,000円(税別) CD-ROM版(17カテゴリの全てのITアプリケーションを含んだ価格)
発刊日: 2010年11月15日(購入予約受付中)

【対象となるITアプリケーションカテゴリ(17カテゴリ)】
「ERP」「生産管理システム」「会計管理システム」「販売管理システム」「仕入・在庫管理システム」
「給与管理システム」「人事管理システム」「ワークフロー」「グループウェア」「メール」「運用管理/資産管理」
「クライアントPCセキュリティ」「CRM」「CTI」「DWH/BI」「文書管理/ファイル管理」「帳票」

【集計/分析の対象となる項目】
年商別、業種別、所在地別、職責別の集計データを網羅
[ITアプリケーションの導入社数シェア]
・導入済のITアプリケーション導入社数シェア(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
・既存から変更する場合のITアプリケーション導入社数シェア(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
・全く新規に導入する場合のITアプリケーション導入社数シェア(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
[ITアプリケーションの導入年と導入費用]
・既存ITアプリケーションの導入年(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
・既存ITアプリケーションの導入費用(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
(ハードウェア費用/導入作業費用/カスタマイズ費用を除いたITアプリケーションに関する初期費用)
[ITアプリケーションの利用形態]
(「パッケージ」/「独自開発」/「サービス利用」の区分および、「社内運用」/「運用アウトソース」の区分)
・導入済、既存変更時、新規導入時のITアプリケーションの利用形態(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
[ITアプリケーションの評価]
以下の各項目に関する五段階評価(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
「導入/サポートの価格は妥当か」
「機能が足りているか」
「動作が軽快かどうか」
「自社の要件に合致しているか」
「初めてのユーザもすぐに操作を習得できるか」
「慣れたユーザにとって操作が煩わしくないか」
「他システムとの連携手段が整っているか」
「不具合や誤動作はないか」
「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」


当調査データに関するお問い合わせ

株式会社ノークリサーチ担当:岩上由高
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
www.norkresearch.co.jp

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お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

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