2010年中堅・中小企業の販売管理システム利用シェアと評価調査報告

ノークリサーチは2010年の国内中堅・中小市場における販売管理システムの利用シェアと評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

<パッケージ化が進む中、個別要件対応力が今後のシェアを大きく左右>
■年商100億円を境にERPの一機能としての利用と単体パッケージとしての利用に分かれる
■独自開発システムからパッケージへの遷移が続く、ASP/SaaSの利用はその次のステップ
■導入/サポートの価格評価においてはパッケージ利用の優位性が十分に発揮されている
■カスタマイズを伴わずにユーザ個別ニーズに対応できる基盤の提供が製品評価のカギ

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2010年10月27日

2010年中堅・中小企業の販売管理システム利用シェアと評価調査報告

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2010年の国内中堅・中小市場における販売管理システムの利用シェアと評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2010年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の販売管理システムカテゴリに関する速報である。
※図表・グラフにつきましては下記URLをご参照ください

<パッケージ化が進む中、個別要件対応力が今後のシェアを大きく左右>

■年商100億円を境にERPの一機能としての利用と単体パッケージとしての利用に分かれる
■独自開発システムからパッケージへの遷移が続く、ASP/SaaSの利用はその次のステップ
■導入/サポートの価格評価においてはパッケージ利用の優位性が十分に発揮されている
■カスタマイズを伴わずにユーザ個別ニーズに対応できる基盤の提供が製品評価のカギ


対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業
対象地域: 日本全国
有効サンプル数: 1400件
調査実施時期: 2010年8月


■年商100億円を境にERPの一機能としての利用と単体パッケージとしての利用に分かれる

以下のグラフは年商500億円未満の国内中堅・中小企業全体における導入済の販売管理システム製品/サービスの導入社数シェアを示したものである。「商奉行」「弥生販売」「SMILEシリーズ」といった裾野の広い中堅下位企業で強みを持つ製品群が上位に位置している。その一方で「Intra-mart販売管理システム」「SCAW営業管理システム」「OBIC7ex販売情報システム」といったように中堅中位企業向けのERP製品における販売管理機能に相当する製品も目立つ。年商100億円を境にして、それよりも下では単体パッケージでの販売管理システムの利用が多く、それよりも上ではERPの一機能としての利用が多いという傾向になっている。


■独自開発システムからパッケージへの遷移が続く、ASP/SaaSの利用はその次のステップ

以下のグラフは導入済の販売管理システム製品/サービスの利用形態について尋ねた結果である。業種や業態などに応じて業務フローが異なってくることもあり、販売管理システムは生産管理システムに次いで基幹系業務システムの中では独自開発の比率が高いカテゴリである。テンプレートによる多様な業種/業態への対応などによって、現状で独自開発システムを利用するユーザ企業を取り込むことができるかどうかが、今後の製品/サービスにおけるシェア拡大の重要なポイントと考えられる。
以下のグラフは導入済の販売管理システム製品/サービスを今後も利用するかどうか?を尋ねた結果である。約3割のユーザ企業が具体的な製品/サービスは決めていないものの今後システム変更を予定しており、潜在的にはシェアが変動する可能性が十分ある。
以下のグラフは今後新たに販売管理システム製品/サービスを導入する際にどういった形態を採用するか?を尋ねた結果である。サンプル数がやや少ない点に注意が必要だが、従来に引き続いて独自開発システムからパッケージへと徐々に遷移している状況がうかがえる。販売管理システムは独自要件をパッケージでカバーする「パッケージ化」が進んでいる段階であるため、その次のステップともいえるASP/SaaS形態の採用が進むまでにはもうしばらく時間を要するものと予想される。


■導入/サポートの価格評価においてはパッケージ利用の優位性が十分に発揮されている

本調査では
「導入/サポートの価格は妥当か」
「機能が足りているか」
「動作が軽快かどうか」
「自社の要件に合致しているか」
「初めてのユーザもすぐに操作を習得できるか」
「慣れたユーザにとって操作が煩わしくないか」
「他システムとの連携手段が整っているか」
「不具合や誤動作はないか」
「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」
といった数多くの項目について五段階評価で製品/サービス別にユーザ企業による評価を行っている。
以下のグラフはそのうちの「導入/サポートの価格は妥当か」についての主要な販売管理システム製品/サービスの評価結果である。独自開発システムよりも高い評価を得ているパッケージ製品が多く、ユーザ企業は独自開発システムと比べた場合のパッケージ利用によるコスト優位性を享受できている状態といえる。ただし、カスタマイズを行った場合にはバージョンアップ時に改変部分を最新バージョンに反映させるためのコストがかかってくる。そのため中長期的には個別カスタマイズを減らす(ユーザ企業の個別ニーズにカスタマイズをせずに対応できる)ことがサポート費用面での評価を左右する要因になると考えられる。


■カスタマイズを伴わずにユーザ個別ニーズに対応できる基盤の提供が製品評価のカギ

以下グラフは主要な販売管理システム製品/サービスにおける「機能が足りているか」「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」のユーザ企業評価を示したものである。「機能の充実度」については独自開発システムの評価を上回る製品も多く、パッケージがユーザ企業の個別ニーズに応えられるようになってきている状況がうかがえる。そうした個別ニーズに応えるために重要なのが「設定による機能の追加/変更」である。この点ではフレームワークとしての性格が強く、業務プロセス対応を得意とする「intra-mart販売管理システム」が高い評価を得ている。今後は個別の業務フローに対し、いかにカスタマイズを抑える形で対応できるか?が製品全体の評価を大きく左右する要素になると予想される。


- レポート発刊のご案内-

『2010年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート』
「全17カテゴリに及ぶITアプリケーションのシェアと評価を網羅した必携の一冊」

価格: ¥95,000円(税別) CD-ROM版(17カテゴリの全てのITアプリケーションを含んだ価格)
発刊日: 2010年11月15日(購入予約受付中)

【対象となるITアプリケーションカテゴリ(17カテゴリ)】
「ERP」「生産管理システム」「会計管理システム」「販売管理システム」「仕入・在庫管理システム」
「給与管理システム」「人事管理システム」「ワークフロー」「グループウェア」「メール」「運用管理/資産管理」
「クライアントPCセキュリティ」「CRM」「CTI」「DWH/BI」「文書管理/ファイル管理」「帳票」

【集計/分析の対象となる項目】
年商別、業種別、所在地別、職責別の集計データを網羅
[ITアプリケーションの導入社数シェア]
・導入済のITアプリケーション導入社数シェア(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
・既存から変更する場合のITアプリケーション導入社数シェア(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
・全く新規に導入する場合のITアプリケーション導入社数シェア(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
[ITアプリケーションの導入年と導入費用]
・既存ITアプリケーションの導入年(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
・既存ITアプリケーションの導入費用(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
(ハードウェア費用/導入作業費用/カスタマイズ費用を除いたITアプリケーションに関する初期費用)
[ITアプリケーションの利用形態]
(「パッケージ」/「独自開発」/「サービス利用」の区分および、「社内運用」/「運用アウトソース」の区分)
・導入済、既存変更時、新規導入時のITアプリケーションの利用形態(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
[ITアプリケーションの評価]
以下の各項目に関する五段階評価(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
「導入/サポートの価格は妥当か」
「機能が足りているか」
「動作が軽快かどうか」
「自社の要件に合致しているか」
「初めてのユーザもすぐに操作を習得できるか」
「慣れたユーザにとって操作が煩わしくないか」
「他システムとの連携手段が整っているか」
「不具合や誤動作はないか」
「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」


当調査データに関するお問い合わせ

株式会社ノークリサーチ担当:岩上由高
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
www.norkresearch.co.jp

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お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

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