2010年版中堅・中小企業向けERP市場規模と最新ベンダマップ調査報告

株式会社ノークリサーチでは、中堅・中小企業向けERP市場規模と最新のベンダマップに関する調査結果を発表した。

▼2010年は更新需要主体の横ばい状態だが、業種/業態に固有のニーズ獲得は可能
▼ERPパッケージ選択は下位製品へとシフト、中堅企業向け製品競争が一層激しくなる
▼「BI」「海外展開支援」「連結会計」に向けた機能強化やシステム連携の動きが活性化
▼サーバ仮想化環境でのERPパッケージ運用は中堅・中小企業においても普及の兆し

PRESS RELEASE(報道関係者各位)
2010年8月26日

2010年版中堅・中小企業向けERP市場規模と最新ベンダマップ調査報告

調査設計/分析/執筆: 岩上由高
株式会社ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1 東京芸術センター1705:代表伊嶋謙ニ03-5244-6691 URL:http//www.norkresearch.co.jp)では、中堅・中小企業向けERP市場規模と最新のベンダマップに関する調査結果を発表した。
※ 本リリースは『2010年版中堅・中小企業向けERP市場の実態と展望レポート』のダイジェスト

▼2010年は更新需要主体の横ばい状態だが、業種/業態に固有のニーズ獲得は可能
▼ERPパッケージ選択は下位製品へとシフト、中堅企業向け製品競争が一層激しくなる
▼「BI」「海外展開支援」「連結会計」に向けた機能強化やシステム連携の動きが活性化
▼サーバ仮想化環境でのERPパッケージ運用は中堅・中小企業においても普及の兆し

※図表は添付のファイルをご参照ください

▼新規投資の本格回復は2011年以降となるものの、業種/業態に固有のニーズは存在

以下グラフは中堅・中小企業を含めた国内ERPパッケージ関連市場規模の推移をプロットしたものである。「ERPパッケージ関連市場」とは以下の各市場構成要素の合計を指す。
「新規パッケージ」新規パッケージ購入費用
「パッケージ保守」パッケージの保守費用
「新規サービス」導入時の作業費用/カスタマイズ/コンサルテーション
「サービス保守」カスタマイズ部分保守や各種付加サービスの年額費用
(※「2010年版中堅・中小企業向けERP市場の実態と展望レポート」では構成要素別/業種別/年商別の詳細市場規模を掲載)
2009年は2008年後半からの経済環境悪化の影響を受け、2008年比9.8%減の3090.8億円となった。この減少幅を年商別に見ると、500億円以上の大企業では13.0%減、年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業では7.1%減となっている。中堅・中小企業では本来2007年前後に基幹系システムの更新需要があったが、J-SOXの影響を見極めるなどの理由で更新を遅らせる傾向にあった。その後、2008年後半の金融危機発生で中堅・中小企業のIT投資も大幅に落ち込んだが、サーバ機器の耐用年数超過やERPパッケージのバージョンアップといった不可避のシステム更新をこれ以上延ばせない状況となり、大企業と比べて軽微な減少幅になったと考えられる。2010年も基幹系システム投資は更新需要が主体となる横ばい状態が続き、新規投資に向けての需要が本格的に回復し始めるのは2011年以降と予想される。ただし、次頁で述べるように業種や業態によっては個別のニーズが存在しているため、それらに対する具体的でわかりやすいソリューションを提示することが重要である。

▼上位から下位へのERPパッケージシフトが顕在化し、中堅企業市場の競争はさらに激化

以下の図はEPRパッケージベンダに対する調査取材インタビューとユーザ企業に対するアンケート調査から得られた結果を元に、主要ERPパッケージのポジショニングを図示したものである。各ERPパッケージは楕円形で表わされており、楕円形の縦方向の長さは対象顧客の年商範囲、横方向の幅は導入社数に基づくシェアに対応している。各ERPパッケージのポジショニングに劇的な変化はないものの、2008年後半の金融危機以降は従来よりも一つランクを落としたERPパッケージを選択するユーザ企業が目立つようになってきている。ITコスト削減要請に基づく導入規模の縮小や、IFRSなどの法制度への対応を見越したカスタマイズ削減意向が強まった結果、ランクを落としたERPパッケージがユーザ企業の選択肢に加わったことが大きな要因である。この傾向は一部の大企業(年商500億円以上)や中堅上位企業(年商300億円以上~500億円未満)で顕著であり、その結果年商100億円以上~500億円未満を主な対象とするERPパッケージの競争が従来に増してさらに激しくなることが予想される。

▼業種や業態に応じた個別ニーズを捉えるための機能強化/連携強化の必要性が高まる

2010年以降も中堅・中小企業の基幹系システム投資は更新需要主体の状況が予想されるものの、一部の業種では企業存続をかけた受注機会獲得のための投資が見込めるものもある。複数の生産方式をカバーするハイブリッド生産に対応することで受注量の減少を食い止めようとする製造業の取り組みや、少量多品種の商材を短納期で納めるためにより複雑な在庫管理が求められる卸売業などがその例である。
また、中堅企業を中心に「ビジネスインテリジェンス(BI)」「海外展開支援」「連結会計」といったより高度な機能へのニーズも徐々に高まっている。これを受けて、ERPパッケージ本体での機能強化や他システムとの連携といった各ベンダの動きが今後活発になるものと予想される。

▼中堅・中小企業においてもERPパッケージのサーバ仮想化環境での利用に普及の兆し

大企業におけるサーバ統合が主たるニーズと捉えられやすいサーバ仮想化であるが、中堅・中小企業では重要なシステムの可用性/安定性の向上やレガシー資産の延命の手段として注目が集まっている。多くのERPパッケージベンダが主要なサーバ仮想化環境における動作を検証/確認していることもあり、サーバ仮想化環境上でERPパッケージを稼働させるケースは中堅・中小企業においても今後増えていくものと予想される。
ただし、この動きはあくまで自社内設置されたサーバ環境もしくはアウトソーシングの延長線上として個別にハードウェアが提供されるプライベートクラウドにおけるものである。データを社外に出すことへの抵抗、独自カスタマイズの多さ、既存の他システムとの連携が必要といった点から、SaaS形態が中堅・中小企業のERP市場において一般的な選択肢となるまでにはまだしばらく時間を要すると考えられる。

最新レポートやカスタムリサーチなどのご案内

新刊レポート発刊のご案内

『2010年版中堅・中小企業向けERP市場の実態と展望レポート』

2008年後半の金融危機に端を発した経済環境の悪化は依然として中堅・中小企業に大きな影響を及ぼしています。そうした状況の中、多くの中堅・中小企業はERPを含む基幹系システムの新規投資を凍結し、システム維持に最低限必要な更新のみに留める構えを見せています。ですが、中堅・中小企業のERP市場を詳細に分析していくと、幾つかの業種や業態においては、厳しい経済環境下であるからこそのニーズが存在していることが分かります。
本レポートでは31社、35製品に及ぶERPパッケージのベンダ取材調査を主体とし、それにノークリサーチが日々実施している1000社を超えるユーザ企業に対するアンケート調査の結果を加味することによって、中堅・中小企業に向けたERPパッケージの提案/訴求に今後求められるものは何なのか?を明らかにしていきます。

【主な内容】
ERPパッケージ関連市場規模分析(2008年から2012年までの市場動向についての分析)
主要ERPパッケージ製品の動向(年商/業種別の動向、システム連携、SaaSやクラウドへの取り組みなど)
ERP 関連市場規模データ(2008年から2012年までの年商別/業種別/構成要素別市場規模データ)
調査対象ベンダ個別表(31社、35製品のラインアップ、差別化ポイント、今後の戦略について解説)
【価格】99,750円(税込)
【媒体】CD-ROM (分析サマリ: PDF形式、集計データ: PDF形式)
【お申込み方法】
弊社Webサイトまはたinform@norkresearch.co.jp宛メールにてお申し込みください


各種カスタムリサーチのご案内

「カスタムリサーチ」はクライアント企業様個別に設計・実施される調査とコンサルティングです。
1.調査企画提案書の提示:
初回ヒアリングに基づき、調査実施要綱(調査対象とスケジュール、費用など)をご提案させていただく

2.調査設計:
調査企画提案に基づき、具体的な調査方法の選定、調査票の設計/作成やインタビュー取材計画立案を行う
※多彩な調査方法が活用できます。
定量調査(アンケート調査):ユーザ企業の実態とニーズを数値的に把握したい
販社やSIerが望む製品やサービスの動向を知りたい
定性調査(インタビュー調査):ユーザ企業が抱える課題を個別に詳しく訊きたい
販社やSIerがベンダに何を期待しているかを訊きたい
デスクトップリサーチ:
競合他社の動向などを一通り調べたい

3.実施と集計:
設計された調査を実施し、その結果を集計する

4.分析:
集計結果を分析し、レポートを作成する

5.提言:
分析結果を基にした提言事項を作成し、報告する

本データの無断引用・転載を禁じます。引用・転載をご希望の場合は下記をご参照の上、担当窓口にお問い合わせください。
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TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
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お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

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