さわれば違いがわかる 任天堂「Wii」--Xbox 360、PS3、Wiiの違いを探る 第3回(最終回)

澤村 信、朽木 海2006年11月09日 23時13分

 次世代機比較記事も今回で最終回。そろそろ本格的に年末に向けて何を買うか検討に入った方も多いのではないだろうか。今回は3機種の中でも独自色が際だっている任天堂「Wii」について、また3機種比較の総評をお届けする。

ハイビジョン非対応、HDDはないがWi-Fi対応

 まず、Xbox 360やPLAYSTATION 3と大きく違う点から挙げよう。1つはWiiはハイビジョン画質に対応しないという点だ。これはPlayStationから始まった一連の「ゲーム機は高性能AV機器でもある」という発想ではなく、最先端の技術を大胆なプレースタイルの変革や、消費電力の低減といった今までになかった方向に使うという任天堂らしい考え方といえるだろう。ただ、ゲームキューブと同様にプログレッシブ出力(D2品質)には対応しており、加えて16:9のワイド画面を想定して制作されるゲームも多い。ちなみに、WiiはBlu-ray DiscやHD DVDはもちろんのこと、DVD-Videoの再生にも今のところ対応していない。

本体は3機種の中で一番の小型である 本体は3機種の中で一番の小型である

 もう1つは「ハードディスクは搭載しない」という点。外付けHDD発売の予定もない。ただ、インターネットとの密接な接続は想定しており、本体内の512Mバイトフラッシュメモリと、SDメモリカードにコンテンツを蓄積する。

 ネットワーク接続は、IEEE 802.11b/g対応のWi-Fiに対応する。他機種と違い、Ethernet接続はオプションのLANアダプタが必要となるため注意。自宅にWi-Fiのアクセスポイントがない場合、Wii+LANアダプタでWi-Fiアクセスポイント代わりにすることもできる。アクセスポイント自体も最近は安価なものが多いため、ユーザーの事情に応じて検討するとよいだろう。なお、WiiのWi-Fi機能はニンテンドーDSとの連携にも利用される(後述)。

リモコンは腕が疲れるかも

 Wiiといえば、まずはCMでもおなじみのあの「リモコン」を連想するだろう。しかし、あのリモコンで何ができるのかは、CMだけではなかなか想像できないと思う。

従来にはない位置検知機能を持ったコントローラだ 従来にはない位置検知機能を持ったコントローラだ

 まず、仕組みを説明しよう。Wiiのリモコンは「センサーバー」と言われる検知装置とセットになっている。センサーバーは通常、テレビの上部や下部に取り付ける。これとWiiリモコンが連携し、位置やひねりを検出する仕組みだ。リモコンでテレビの特定のポイントを指すことや、剣やゴルフクラブのように振る動きも検出可能。懐かしの光線銃型アタッチメントも登場予定。サードパーティからはWiiリモコンを装着する車のハンドル型のアタッチメントも登場する。さらに、ヌンチャクと呼ばれる拡張コントローラを装着することでも遊びの範囲は広がる。これらのコントローラはゲームごとにまったく違った体験を提供することになる。

通常テレビの上や下にセットするセンサーバー 通常テレビの上や下にセットするセンサーバー

 ただ、これは両刃の剣でもある。従来のゲーム文法に慣れた人にとって、新しい操作体系を覚えるというのはなかなか難しい。ニンテンドーDSは「触れるだけ」のタッチパネルだったので、比較的直感的な操作が可能だった。しかし、今回のWiiリモコンの自由度はそれとは比べものにならない。任天堂は、当然その部分は十分考えていると思われるし、実際に操作方法を段階的に理解させるゲーム作りを徹底しているが、大きなチャレンジであることに違いはない。

リモコンを片手に、ヌンチャクをもう片方の手に持って操作する リモコンを片手に、ヌンチャクをもう片方の手に持って操作する

 また、過去にタッチパネルやライトペン付きのコンピュータモニタが登場したとき、これこそポインティングデバイスの本命と目されていたが、実際には普及しなかった。その大きな理由の1つが「長時間操作をしていると身体的負担が大きい」ということだったのだ。一概にゲームとビジネスを同列に扱うことはできないが、気になる点であることは間違いない。もっとも、任天堂広報によると、「ほとんどの操作はごく小さな動きで可能」ということでもあるし、あまり心配しすぎることはないのかもしれない。ともあれ、このあたりの正しい評価は、リモコン実物とそれを効果的に利用したタイトルがそろわないと定まらないところではあるだろう。

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