いよいよ、この年末に次世代ゲーム機のラインアップが出そろう。図1のとおり、左下の現行世代機であるPlayStation2を除くと、マイクロソフトの「Xbox 360」(2モデル)、任天堂の「Wii」、ソニー・コンピュータエンタテインメントの「PLAYSTATION 3」(2モデル)が、いわゆる次世代機とされている。図では独断で「マシンパワー」という指標を使っているが、実際にはそれぞれ違った方向性に特化しているハードであり、どれも単純な指標では表せないよいところがある。そこで、今回から3回に渡り、次世代ゲーム機の「ここが肝」という部分をお伝えしていこう。1回目は「Xbox 360」だ。
Xbox 360自体は他機種に先行し、日本で2005年12月10日に発売された。「ハイデフ」というキーワードを連呼していたCMを覚えているだろうか? 次世代機の切り込み隊長として鳴り物入りで登場したが、海外では絶大な人気を誇る一方、日本市場においてはソフトウェアのラインアップの偏りなどもあり、好調とは言い難い状況が続いていた。今冬は、次世代機のデビューラッシュを控え、2006年11月2日に「Xbox 360 コアシステム」が発売となる。これは海外ではすでに発売されていたもので、Xbox 360の核となる部分のみで構成されたパッケージだ。HDDなどがない分、標準版よりも約1万円ほど安い。価格帯としてはPLAYSTATION 3の対抗ではなく、どちらかといえば現行機であるPlayStation 2に対抗する製品だ(図1:参照)。
「コアシステム」と標準版の大きな違いはハードディスクの有無だ。ハードディスクを必須とするゲームは現状「ファイナルファンタジーXI」程度なので、一般のゲームをプレイするだけなら「コアシステム」でも十分だ。ただ、ハードディスクがない場合、各種データは従来のゲーム機と同様に別売のメモリユニット(64Mバイト)に保存することになる。Xbox 360をインターネットに接続することで、ゲームの体験版やムービーなどのコンテンツをダウンロードできるが、こうしたものは容量が大きいためハードディスクは必須となる。
ネットにつながず、とりあえずは従来機のようにプレイするなら「コアシステム」で十分だ。また、「コアシステム」にハードディスクなどの周辺機器を買い増すことで、コストは多少割高になるか標準版相当にもできる。自分にハードディスクが必要かどうかは、この後述べる特徴も併せて評価して欲しい。
先述したとおり、Xbox 360は約1年前に発売されている。諸外国ではかなり盛り上がっているのだが、日本向けのキラータイトルが不足しており、売れ行き不振の原因となっていた。しかしマイクロソフトは、今年の東京ゲームショウを目標に日本市場での巻き返し作戦を着々と進めていた。日本での「コアシステム」投入は、これを視野に入れたものである。
その中でも一番の目玉は「ブルードラゴン」。ファイナルファンタジーシリーズの生みの親である坂口博信氏、同じくファイナルファンタジーシリーズの音楽を数多く手がけた植松伸夫氏、そしてあの鳥山明氏が関わった大作だ。また、坂口氏と植松氏が手がける「ロストオデッセイ」も期待のタイトル。こちらはキャラクターデザインに「スラムダンク」「バカボンド」などのマンガでおなじみの井上雄彦氏を起用。いずれも日本人が慣れたコテコテのRPGである。
このほかにも、カードゲームとボードゲームが融合し、重厚なファンタジー要素も人気の「カルドセプト」、ゲームセンターで人気を博したアイドル育成ゲーム「アイドルマスター」の最新作も発売される。さらに、「オトナ向け」として今ちまたで話題のゾンビアクション「デッドライジング」が楽しめるのもXbox 360だけだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」