サンフランシスコ発--Microsoftは「Office」の利益を拡大するための新しい計画を準備している。それは無料で提供するという計画だ。
「Office 2010」における最も大きな変更点の1つは、Microsoft最大のドル箱ソフトウェアプログラムである同製品を無料で入手できる方法が複数用意されていることだ。
無料で利用できるブラウザベースの「Office Web Apps」に加えて、MicrosoftはPCメーカーに対し、Officeのベーシック版を新しいコンピュータにインストールすることも認めている。「Office Starter」と呼ばれるこの新プログラムには、「Word」と「Excel」の機能限定版が含まれる。PC購入者が後でOfficeの有料版へアップグレードした場合、PCメーカーと小売業者、Microsoftはいずれも利益を得ることができる。
「PCを起動した瞬間から、Office 2010を体験できるようになる」。Microsoftビジネス部門のプレジデントであるStephen Elop氏は米国時間3月31日、当地でのインタビューでこのように述べている。同社の予測では、Office 2010発売後に小売店で販売されるPCの80%に、Office Starterがプレインストールされるという。
今も利益の大半を「Windows」とOfficeから得ているMicrosoftにとって、これは明らかに大きな賭けだ。とはいえ、Officeの売り上げの大半は企業への販売によるものであり、消費者向け市場では、同社は「Google Apps」のような無料の競合サービスにも戦いを挑もうとしている。
さらに、Starterは新しい製品には違いないが、Microsoftは以前からローエンドの生産性スイートを提供している。Office Starterは、小売店で販売され、新しいPCにも大量にプレインストールされた「Microsoft Works」に取って代わるものだ。Office Starterで使えるのはWordとExcelの機能限定版のみだが、PCメーカーは実際にはOfficeの完全版をインストールしており、この完全版はPC購入者がアップグレードの料金を支払うとすぐに利用可能になる。
Officeの完全版を購入しやすくするため、Microsoftは同製品の多種多様な購入オプションを販売店に提供する計画だ。同社はOfficeの従来型のパッケージ版に加えて、「プロダクトキーカード」の販売も予定している。これを使うと、Officeのコピーを1つアップグレードすることができる(パッケージ版はエディションによって、2〜3台のコンピュータで使用することが可能)。
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