Mozilla Foundationは、新しい競争上のプレッシャーに直面して、「Firefox」に3つの大きな変更を施す取り組みに着手した。
第1の変更は新しいJavaScriptエンジンだ。Appleの「Safari」の背後にあるプロジェクトの成果を取り入れて、ウェブベースのプログラムを少なくとも30%高速に実行できるという。第2の変更は、「Windows」向けの新しいグラフィックスエンジンで、グラフィックスとテキストにハードウェアアクセラレーションを利用する。そして第3の変更は、Firefoxアドオンのための新しいシステムを実現化するのに役立つプログラミングツールだ。
Mozillaは5年ほど前にFirefoxをリリースして以来、圧倒的なシェアを誇るMicrosoftの「Internet Explorer(IE)」に対して躍進したが、その大半の期間、IEにはほとんど変更が施されなかった。今では、Googleの「Google Chrome」が勢いよく登場し、AppleがSafariを「Mac OS X」だけでなくWindows向けにも売り込んでおり、「Opera」が急速に発展している。そして、おそらく最も重要なことに、MicrosoftがIEの若返りを図ることに真剣な関心を示している。
Firefoxもまた、カンフル剤を使用してもおかしくない。Net Applicationsによると、世界のブラウザ使用に占めるFirefoxのシェアは、2009年11月に24.7%まで達したが、米国時間3月1日に発表された2月の暫定統計では24.2%に下落した。同じ期間に、Chromeのシェアは3.9%から5.6%に上昇した。
Mozillaは過去1年間に、Firefoxにいくつかの大きな変更を加えた。バージョン3.5と3.6にさまざまな新機能を追加し、「Lorentz」アップデートに取り組んできた。Lorentzは、Adobe Systemsの「Flash Player」などのプラグインに起因して発生するクラッシュを減らすために設計されたものだ。そして今、新世代のアイデアが、まだ荒削りな形ではあるものの、現実環境での使用に向けて動いている。
JavaScriptの高速化競争が本格化したことに対して、Mozillaが一定の貢献をしたことは評価に値するし、Mozillaの「TraceMonkey」エンジンは、以前は競争力のあるものだった。しかし今では、Chromeの「V8」とSafariの「Nitro」に追い抜かれ、一方「Opera 10.5」ベータ版の新しい「Carakan」エンジンは、すべての競合製品に匹敵し、それらを打ち負かす可能性もある。
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