映画「アバター」は、3億ドルの予算とJames Cameron氏の名声だけでなく、3Dエンターテインメントの未来も担いながら歩んでいる。
大々的に宣伝されたこの3D映画は、米国では米国時間12月18日に一般公開され、ハリウッドの映画会社は当然ながら、その興行成績に注目している。しかし、映画会社だけでなく、家電業界やケーブルテレビ業界も大成功を期待している。「アバター」がヒットすれば、3Dが映画館からリビングルームにもたらされるかもしれない。
生身の人間の俳優陣だけでなく、CGによる別の世界の生き物など、巨額の予算を必要とする素材で一杯の同作品は、とりわけテクノロジ面での偉業という点で、好意的な評価を得ている。同作品は、ハリウッドの安っぽい仕掛けだった3Dを一変させ、3Dテクノロジの潜在的な能力を余すところなく引き出したとして、「3D映画制作における『ジャズ・シンガー』」とも呼ばれている。
「アバター」というタイトル自体が、仮想世界における3Dイメージというコンセプトと関連している。Cameron氏の同作品に関するアイデアは、実際のところ、10年以上前から温められていた。同氏はテクノロジが自分のビジョンに追いつくのを待っていたのだという。そして、ついにそのときが来たと述べている。
「アバター」の封切りに向けて、先週カリフォルニア州サンタクララで開催されたDigital Living Room Conferenceでの3Dに関するパネルディスカッションでも、同作品は大きな話題になっていた。その理由は、同作品が数少ない大人向け3D映画の1つであるからというだけでなく、20th Century Foxのマーケティング部門が同作品を全力で後押ししているからでもある。
「われわれの多くは、『アバター』が映画業界のメインストリームの転換点となることを期待している。ハリウッドは3Dを真のビジネスと見なすようになるだろう」。Dolby Laboratoriesのテクノロジ担当シニアディレクターPat Griffiths氏はこのように述べた。同社は世界中の数多くの映画館に3D映画上映用機器を提供している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス