ニューヨーク発--音楽業界のしゃれたパーティーにEric Schmidt氏が出席したことは、デジタルテクノロジが歩んできた道のりと蓄えてきた力とを示していた。
10年前、映画スタジオや大手レコード会社は、シリコンバレーの人々のことを、電子機器が好きであごひげを生やしたダサいやつらの集団と片付けていた。5年前は、違法なファイル共有が制御不能になっていて、エンターテインメント業界はコンピュータ専門家のことを、財産を持ち逃げされる前に撃退すべき侵略者として、恐怖と嫌悪の目で見ていた。ハリウッドの一部の人々がGoogleを「悪徳企業」と考えていたのは、それほど遠い昔ではない。
しかし、それは完全に過去のことだ。Googleの最高経営責任者(CEO)であるSchmidt氏は米国時間12月8日、音楽動画サイトVEVOのローンチパーティーで、来賓として、音楽業界の大物やスターミュージシャンのために確保された席の一番前の中央に座った。同氏は、歌手のShania TwainやSheryl Crowと同席し、音楽プロデューサーでレーベルの重役であるJimmy Iovine氏と親しげに話した。4大レーベルで最大のUniversal Music GroupのCEO兼会長Doug Morris氏や、Sony Music GroupとEMIのトップとも言葉を交わした。
そして、そうした人々がSchmidt氏に敬意を払わないはずはない。同氏は、世界で最も成功している広告会社を指揮し、ウェブで一番の動画サイト「YouTube」を運営しているだけでなく、VEVOを軌道に乗せる手助けもしている。Googleは、YouTubeからいろいろな意味で離れつつある音楽動画サイトの行く手を阻もうとするのではなく、技術的な専門知識を与え、大勢のYouTubeファンに対する売り込みを続けられるようにしている。
これはどういうことなのだろうか。Googleは2008年に210億ドルの売上高を計上している。そんな企業が、ほかの誰かのバンドでリズムギターを演奏することに、どうしたら満足できるだろうか。
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